お題:あきれたパイロット 制限時間:15分 読者:42 人 文字数:789字

接近遭遇
 実際、パイロットの二人に一人はUFOを目撃したことがある。三人に一人は異星人と交信した経験があり、五人に一人は拉致されて改造済みだ。もちろん、そんなことを周囲に話せば二度と操縦を任せてもらえなくなるので、みんな黙っている。パイロットのあいだでは「あるある」として知られていて、引退後に飲み会で集まったりすると、あのとき出会った異星人は今、なんて話題で盛り上がったりもする。
 口にはしなかったが、就職の志望動機が「宇宙人に会いたい」だった若者は、勤続三年目にしてまだUFOに出くわしたことのない二人に一人のほうで、定年後の大先輩の話を聞いては、どうして自分にはまだ出会いがないのだろうと悩んでいた。
「出会うコツとかってあるんですかね」
 などと聞きたい気持ちはあるのだが、現役の身ではオカルトのたぐいは単語ひとつでさえ口にできない。操縦士には技術と同じくらい、まともな精神性が求められる。宇宙人なんてNASAのでっちあげ、陰謀論ですよ、とリアリストぶらねば、仕事を続けることなどできない。
 でも若者はどうしても、未知との遭遇を果たしたかった。
 そんなときに役に立つのが符丁、つまり本当の意味を伏せてそれとなく聞き出すのである。同業であるなら察しはつくはずで、大先輩は知りたいことを教えてくれると見た。
「たとえば、遊園地でバルーンを配っているとするじゃないですか、でもひとりだけ、どうしてももらえない子供がいるんです。バルーンをもらった先輩なら、その子になんてアドバイスしますか」
 これでどうだ、伝わるだろう。と、期待したものの、大先輩はきょとんとしている。
「よっぽどかわいくないんだろう、その子供」
「足りないのはかわいさ、ですか」
「あんま笑わないとか、喜ばないとかね」
 若者はしっかりメモして、それから、宇宙人に会って大喜びするリアクションを練習しはじめた。
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