お題:突然の戦争 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1008字

KINGMAKER
隣国のA国に突然戦争を仕掛けられ、B国は恐慌に陥った。
慌てふためく群臣に向けて、しかし一人だけ落ち着いた物腰を保っていた王は毅然と言い放った。

「騒ぐな!どう対処するかはすぐに決める。何も恐れることはない!」

そうして自室に戻っていく王の背中を、群臣たちは羨望と共に眺めていた。
これまでB国の幾多の危機を、その智謀で見事に切り抜けてきた王である。
英邁であり、その智謀は最早伝説の域にまで達していた。
今度の危地もきっと切り抜けてくれる…国中の期待はその双肩にかかっていたのである。


そんな英雄王の自室―

「やべえええええA国攻めてきちゃったどうしよおおおおおおおおおおおおおおお」

王は顔面蒼白でパニクっていた。

「落ち着いてください、王」

召使いのソルトがため息交じりに諫める。

「これが落ち着いていられるか!A国めっちゃ強いもん、戦っても勝ち目ないもん!」
「何も必ず戦わねばないわけではありません、まず直接の衝突を回避する術を考えてみましょう」
「よし、じゃあ考えろ、今すぐ考えろ!」
「…また私が考えるんですか?」
「それがお前の仕事だろうが!」
「違います、私は単なる召使いなので。陛下の身辺のお世話だけが職分です」

賢明な読者なら既にお察しだろうが、これまでのB国王の英邁と評される政略や戦略は、すべてこの召使いのソルトの頭脳から生み出されたものである。

「だってお前、大臣や将軍にしてやるといっても絶対オーケーしないじゃん!宰相でもいいってまで言ってるのに!」
「当たり前です。下級貴族出身の私がいきなりそんなものになったら大貴族にやっかまれて暗殺されるのがオチですから。そんなのごめんです」

幼い頃から王―当時の王子の召使として仕えていたソルトは、怠け者の王子が嫌がる政略戦略の講師からの宿題を、すべて肩代わりさせられてきた。
ため息をつきつつそれらを代わりにこなす内、いつしか天賦の才が開花し、一国の宰相・大将軍をも担いうる大才が誕生したというわけである。

「とにかく頼むよソルト~、大臣たちのわしに向ける羨望の目が痛いの、プレッシャーなの!!早々に対処法を発表しないとわしの沽券が地に落ちてしまいそうなのよ!!」
「やれやれ、しょうがないですね…」

いつまでたっても自分はこの人の宿題を肩代わりする宿命なのだな…
内心でつぶやきながらソルトは案を王に伝え始めた。
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