お題:知らぬ間の牢屋 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:868字
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物置小屋
いつのまにやら犯罪者。どうしてこうなった。

あたしは冷たいコンクリート製の簡素な独房で目が覚めた。周りを見渡しても誰もいない。約3畳ほどの狭い独房のほかに、同じ感覚で区切られた部屋が見えるのだが。「おーい」「だれかー」。声を出しても返事がない。人の気配もないので、この空間は自分ひとりしかいないのだろうと見当をつけた。

薄暗い部屋の突き当りにドアらしきものが見える。ここが出口なのだろうが、わからない。あたしはここに来るまでの記憶がないのだ。気が付けばこの牢屋に寝転がっていて、ことの経緯がわからない。記憶喪失ならば、犯罪者として裁けるのだろうか?なんとかごまかして釈放されないかな。何も覚えちゃいないので、どうにも楽天的に考えてしまう。だって何も悪いことしてないんだもん、あたし。……おぼえてないけど。

ガチャン

部屋の奥から思い金属がこすれる音がて、間もなくコツコツと足音がする。暗くてよく見えないが、どうやら人が来たらしい。

「ああ、起きていたのか」
顔がよく見えないけど、スーツを着たおっさんみたいな感じだ。
「気分はどうだ?話せるか?」
「……のどがかわいた。そんで、トイレも行きたいんだけど……」

ほとんど反射的にあたしは返事をしていた。なにせ起きたばっかりでなにもわからない。ここはどこ?とか悲壮感たっぷりに訴えるのも面白いかもしんないけど、あたしはとにかく目先の要求を訴えた。

「ふっ……。出ろ。これからはずっと太陽の下で暮らせるぞ」
おっさんは独房の錠を開けてあたしの腕を乱暴につかんで引き寄せた。あいたた、乱暴にしないでったら。
「しかしそっくりだ。王女がまた暗殺されちまったからな。クローン体をいくつも保存していてよかった。2つても3つでもスペアは持っとくもんだな。くく、これで反乱軍のやつらも大義名分を失っておとなしくなるだろうよ」

あたしは起き抜けのぼんやりした頭でおっさんの声を聴いていた。
あたしは今日から、「お姫様」になるらしい。クローンの正しい使い方だそうだけど、あたしわかんないな。
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