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 医者である父さんのことが自慢だった。
 家にはお金がいっぱいあって、経済的な不便は一度だって感じたことなんかなかった。塾だって大手のいいところに通わせてもらえて、おかげで中学校から僕は偏差値の高い進学校に進めた。街を歩いている同い年くらいのやつらはみんな猿に見えたし、大人だって父さん比べれば大したことない有象無象ばかりだった。僕はそんなやつらとは全く違う限られたエリートで、いずれは父さんのように立派な人間になるのだと思っていた。
 それが、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
 しばらく降り続いていた雨がやんで、今日は久しぶりの晴れ。小春日和だった。今ごろ外では浮かれたやつらがあちこちで騒いでいることだろう。お祝いにと美味いものを食って、酒を飲んで。一度だけ参加した同窓会で、同級生たちが飲んでいた光景を思い出す。人目もはばからず、顔を赤くして、ふらふらと歩いて、ますます猿みたいだった。あれがもう、何年前のことだったっけ。
 僕はそっとマッチを擦った。小さな炎が、ゆらゆらと揺れる。けれどそれは、
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