お題:黒いテロリスト 制限時間:30分 読者:22 人 文字数:1323字
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深夜の遭遇 ※未完
不審な物音で目が覚めた。
枕元のスマートフォンの画面に目を向ける。
上部に表示された時刻は深夜2時を少し過ぎた頃だ。
明日は朝からアルバイトのシフトが入っている。大学の授業も無いので朝から夜まで入れれるだけのシフトを入れた。
学費の足しにするつもりで始めたコンビニのアルバイトだが、綺麗な先輩と同じ職場と言う事もあり気に入っている。
朝の5時には家を出なければ行けない。ギリギリまで寝ていたいのだが、不審な物音は未だ続いてる。
ビニールの袋を揉みくちゃにしたような音が耳に入ってくる。
大きな音―-と言う訳でもないのだが、夜の静けさの中では耳障りだ。

「まだ寝てられるな」

と思わず声に出した。アラームが4時30分にセットされている事を確認してもう一度瞳を閉じて夢の世界に戻ろうとした。
不審な音はまだ続いている。
一度気になりだした夢の世界に戻る事なんて、それこそ夢の又夢――眼を閉じるとより鮮明にガサゴソだとか音が迫ってくる。


「チッ」


思わず舌打ちが零れる。再びスマートフォンを手に取る。時計は2時30分と表示されている。
スマートフォンで光源を確保した。布団の周りを照らしながら物音の元凶を探す。
灯りに照らされた部屋は独り暮らしの大学生の男子の例に漏れず、ビールの缶やコンビニのビニール袋。週刊誌などが散乱している。


「そろそろ掃除しなきゃなぁ」


物音の原因は見つからない。
次の休みは部屋の掃除をしようと心に決めた。
起き上がって電気をつけるのも手間に思ってスマートフォンを右に左に動かしていた。

「あっッッ」

思わず悲鳴が零れた。灯りに照らされたのは口に出すのも恐ろしい黒いテロリスト。
世間一般ではGだとか、ゴキちゃんだなんて可愛い名前で呼ばれているが、実際は恐怖の対象である。
家族と住んでいたアパートでは黒いテロリストに遭遇した事が無かった俺は自慢じゃないが耐性が無い。
ネズミは沢山見たことがあるが、コイツはダメだ。
子どもの頃から昆虫――虫はダメなんだ。
永遠とも思える時間を感じた。実際は一瞬の出来事だったと思うが、長く感じたのだ。
灯りに驚いたのか、黒いテロリストは逃走を図る。キッチンの冷蔵庫の下に逃げ込んだ。

布団から跳ね起きる。
こんな所で寝てられるかよと黒いテロリストと臨戦態勢に入る。
部屋の電気をつける。荒れた部屋が浮彫になる。
冷蔵庫の下から出てくる気配はない。

「どうすっかなぁ」

俺の独り事が静かな夜に目立つ。隣りからの苦情が心配だが、声に出さずにはいられなかったんだ。
冷蔵庫は決して大きい物では無いが、ここは災害大国とも言われる日本だ。
地震で倒れるのを防ぐ為の器具で固定されている。冷蔵庫を動かす事は出来ない。
持久戦だ。出てきた所を掃除機で吸いこんでやる。
コンセントに繋がっているのを確認するためにスイッチを入れると唸り声を上げた。
睡眠を妨げる小さな物音から始まった戦争だが、今は形振り構っていられないんだ。
待つ、待つ。
出てくる気配はない。
静かな夜に戻ったが、一度黒いテロリストに遭遇した恐怖は抜けない。
俺の闘いはまだ始まったばかりなのだ。




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