お題:進撃の略奪 制限時間:1時間 読者:14 人 文字数:1002字

待ちきれなくて。 ※未完
家具が次々に運ばれていく。タンス、テーブル、本棚、洗濯機と長年連れ添ってきた仲間が屈強な男たちによって外へと持ち拐われいく様を、僕は呆然と眺めていた。
一体何が起こっている? 騒々しい物音で目を覚ませば、既にこのありさまだった。パジャマ姿であちこち髪がはねたままの僕を男たちは見向きもせず、黙々と作業を進めていた。
引っ越し業者を手配した覚えはない。僕はまだまだ今のアパートに住む予定で、契約更新をつい先日大家さんとしたばかりだ。
何より、目の前の男どもは明らかに引っ越し業者の風貌ではない。少し地味めの作業服に軍手、などという出で立ちではなく、彼らは全員黒服だった。おまけに黒いサングラスまでかけている。どこぞの非合法組織の構成員と紹介されればきっと僕は納得してしまうだろう。
もしかして借金の取り立て?
どこかに借金をした覚えは僕にない。けれど、このご時世、連帯保証人として名前などを勝手に使われてしまうケースがあるという。その不幸に僕は見回れてしまったのかもしれない。
ならば、ここは毅然な態度で挑まねば。法治国家日本、いくら情の薄い世の中になったとはいえ、ここまでの横暴がまかり通るはずがない。多少費用はかかるだろうが、出るとこに出れば道理が僕の方にあると立証されるはずだ。
「あの」
「なんでしょう」
僕の呼び掛けに男の一人が振り向いた。意外とすんなり対話に応じてくれたことに面食らいながらも僕は言葉を接いだ。
「僕は借金をしたことも誰かの保証人になったこともない。 何かの手違いじゃありませんか?」
「いいえ、間違いありません」
「」
「証拠の書類がここに」
男は懐から取り出した一枚の紙を僕に差し出す。どうせ偽造書類に違いない。僕は法学科の出ではない。けれど、隅々まで内容を把握し、しかるべき時に指摘できるようにしてやる。
そんな心持ちで書類を受け取り、内容を確認した。
その直後、僕は固まってしまった。
「……これ、原本ですか?」
「いえ、コピーです。原本は市役所に提出済みだと聞いています」
「大家さんには?」
「既に話は通してあります」
僕はしばらく黙り込んだ。そして、こう言わざるを得なかった。
「……作業を続けてください」

「ようこそ、私の家へ!」
僕の前には一際きらびやかな豪邸。そしてその前で一人の女性が僕を歓迎していた。
僕の妻となる女性が。
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