お題:生きている話 制限時間:1時間 読者:98 人 文字数:801字

生きている話
今日もいつも通り、お昼前に目が覚める。
布団を上げてぼんやりと空を見る。
空腹を感じてくる頃は大体お昼時だ。

こんな貧乏だと気分が良い時や上げたい時にツナ缶をひとつ食べるようなものだから、今日は茹で玉子2つにしておく。
パスタを茹でたりご飯を炊いたりするのは、面倒に感じてくる。
適当に茹でてほどほどに固くなった玉子に一匙の塩をかける。それだけでも十分食事になっていると思っている。

雨でなければ今日も散歩に出掛けよう。
最近は空っ風が辛くて外に出るのが嫌になってくるが、日差しは暖かい。
適当にそこら辺を歩いて日が傾いてきて、今日の夕御飯はどうしようと家に帰ってきてまた茹で玉子を食べようとする。
昼は2個だったので、夜は3個にしておこう。
まだ夕方の5時だから少し多く食べても構わないだろう。
適当に茹でて固くなった玉子に夜はマヨネーズを添える。

日が落ちて来たとき、私は電灯を付けずに蝋燭を焚くようになった。ゆらゆらと揺れる蝋燭をじっと見つめていると、自分自身の中に入っていく気分がする。
心臓の音、胃が消化をしているところ、瞬き。
周りから見れば生きていると言い難いこの生活も蝋燭を見つめる時だけ、生きていると胸を張って言える。心臓の音、鼓膜にまで届く定期的な波動。

やがて、私は眠くなる。
今日も命を燃やして疲れたのかもしれない。
布団に入ると鼓動がまた大きく聞こえる。

心臓の鼓動数は生まれた時から数が決まっているらしい。この話を思い出す度にスポーツ選手は命を削ってスポーツしているんだと感じる。
無闇に心臓を動かして死に近づいてしまうのを何となく怖いと感じてしまった。
私はまだきっと生きていたいんだと思う。
けれども、明日で私の鼓動が止まったとしても私は後悔しないかもしれない。
自分の生き方に満足していたから。
明日が来ることを当たり前に感じる幸福に身を委ね、私は眠る。

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