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お題:求めていたのは家 制限時間:15分 読者:52 人 文字数:1223字

mement/mori 2 ※未完


 ”その他”に分類されうるものが好きだ。

 *

 油彩画。水彩画。彫刻。エッチング。リトグラフ。彫刻。小説。詩。劇作。――”その他”。
 古典主義。写実主義。印象派。キュビズム。後期印象派。アールヌーヴォー。アールデコ。ダダイズム。ポップアート。現代アート。――”その他”。
 ロック。バロック。クラシック。ポップス。レゲエ。エレクトロニカ。――"その他"。

 その他、other、Alioquinには、大きな海のような懐深さとそして存在感がある。結局のところ”その他”は掃きだめのようにゴミ箱のようにトイレの便器みたいに、なんでも受け入れて、そしてなんでも流してしまう。すべてを消し去って、あたかも最初からなにもなかったみたいに。あるいは捨てられるために生まれてきたかのように。ゴミ箱のなかが彼らの居場所だと、そういう風に規定する――”その他”。

 ”その他”はかならず最後に取り扱われる。一通りすべてのものを説明し終えてから”その他”がやってくる。”その他”がどれほど多数派だったとしても、アンケートでは最終項目として扱われる。1位の項目は20パーセントの人が選択――2位の項目は13%の人が選択――3位の項目は6%の人が選択――そして二十項目ほど以下省略、最後に、28%の人はこれを選んでおりました――”その他”。

 だからこそ”その他”は意味深で、空白で、そして無力だ。

 まるで僕みたいに。


 なんて言ってもつまらない。なんて一人ごちてもなにも変わらない。僕たちは――いや、あるいはきみだけは、”その他”のなかから抜け出でなくてはならない。混濁のなかから光のもとへ、姿を現して、きみがほんとうはいったい果たして何者だったのか、知らなくてはならない。

 もちろん、これには危険が伴う。
 なぜならきみは”その他”のなかにいる限りは、枠のなかに存在していられる。たとえ命名してもらえないほど小さい存在だったとしても、きみには”その他”の称号が与えられていて、たとえこの名前がきみだけのためのものではなかったとしても、ただゴミ箱に貼られた「ごみはくずかごへ」のラベルとたいして変わらないものだったとしても、これはたしかに大切なきみの名前のひとつだ。

 しかしそれを脱ぎ去り、金網のなかから飛び出そうとするとき、きみは紛れもなくか弱いなにかになり果てる。それはただ「誤差」として切り捨てされるような類の、つまり光にあたったら消えてしまうほどの、そういうものすごくつまらない存在かもしれないってこと。だから、きみは”その他”のなかで、ある種守られているともいえる。なんだかんだ世界の28%は、きみとおなじラベルを貼られているわけだし?

 それでもここを出て行かなくてはならない。

 そうだった、ぼくはきみを説得する立場にある人間なのだった。光のもとへ、たとえきみが消えてしまうとしても、あるいは消えてしまうからこそ。
作者にコメント

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