お題:簡単な水 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1140字

アイドルグッズ
 「会いに行けるアイドル」の登場により、アイドルというものは近しい存在になった。
 握手会や手渡し会といった「直接会えること」がウリになるとわかると、多くの芸能事務所がそれを真似、一獲千金を狙った。
 こうして粗製濫造されたアイドルたちによって、血で血を洗うアイドル戦国時代が幕を開けた。

「というわけで、我が街のご当地アイドルを結成したいと思うのですが……」
 芸能事務所にやって来た某市の担当者は、いかにも「役所の人間です」という風貌をしていた。対応した事務所社長のゲットイット前田は、面白くないヤツだと鼻を鳴らす。
「で、それってどういうコンセプトなわけ?」
 横柄な態度でソファにもたれたゲットイット前田に、市役所の男は気圧された様子だった。
「そうですね……。我が市の隣では先んじてご当地アイドルがいるのですが……」
 それで、とゲットイット前田は先を促す。
「彼女らは『どっこいガールズ』と言いまして、平均年齢42歳という……」
「待て待て。は? 42歳? 12歳とかじゃなくて?」
「12歳は犯罪では?」
「40代のおばはんが『ガールズ』名乗って『アイドルでーす!』って出てくんのも、ある意味で犯罪だろが!」
 いやいや、と役所の男は首を横に振る。
「正確には50代が一人、40代が3人、30代が1人です」
「知らんわ、そんな年齢分布!」
 どうかしてるだろその街、とゲットイット前田は大きくため息を吐いた。
「ですので、我が町では対抗して平均年齢50代の……」
「アホか! 何でそんな無駄な対抗意識を燃やすんだよ!」
 役所の人間はズレている。それがゲットイット前田の持論であった。
 これは、ゲットイット前田がかつて脱税容疑で収監された経験からくるもので、多くの人間が抱く「ズレ」とは性質の違うものであったが。
 ともかく、そのズレを正さなければ。脱税野郎で、現在も性懲りもなく反社会勢力の資金洗浄に手を貸しているゲットイット前田であったが、意外や芸能活動には真面目であった。
「10代から20代の女の子を用意すんだよ! でなきゃ男!」
「10代から20代ですか……」
 はあ、と役所の男はハンカチで汗をぬぐう。
「何か問題あんのか? もしかして、あんたが熟女趣味なだけか?」
「いえ、その年代は我が市で最も人口の薄いところで……」
「過疎かよ!」
「はい!」
「元気に返事すんな!」
 まったく、とゲットイット前田は首を横に振った。
「……あんたのとこ、名産は?」
「山深い土地なので、雪解け水ですかね」
「じゃあそれをコンセプトにだな、そういう若そうな女の子を……」
「集めて雪解け水に唾液を混ぜて販売するんですね」
「何でそうニッチな方向に行くんだよ!」
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