お題:わたしの好きな蟻 必須要素:しめじ 制限時間:2時間 読者:37 人 文字数:573字

しめじと蟻
蟻の巣キットみたいのを小学校の夏休みに作ったことがある。
野生の蟻を捕まえて、巣を掘らせる。
掘ったところで卵は無いんだけど。
卵を生む女王蟻はいないから。

結婚して数年が経っても私と彼の間には子供が出来なかった。彼の方は至って健全だ。問題は私の方にある。薬を飲み続けないと排卵が停止するという厄介なものである。薬を定期的に飲めば良いのだけれど、生理までは操作できない。闇雲に営んでいるとも言って良い気がする。

今日の寄せ鍋にいれるしめじを見て、そろそろ帰ってくるだろう彼を思う。一生懸命、穴を掘る蟻。でもそこには何もないただの空間があって。
蟻はそこを行き来するだけ。

この病気を前もって知っていた彼は、子供はいなくても良いよと言ってくれたのを思い出す。
その時の気持ちは空虚に近い。子供がいないから全部が終わりではない。この人生における自由な時間が増えるだけなんだ。
けれども、理想と夢は本当に理想と夢として終わってしまったと過去形になってしまう気持ち。
子供を抱く彼の姿や家族として彼と向き合えるのは素敵なことだろうと夢見ていた。

痛いことをしないのならそれも良いのかとか少し子供ぽいことで納得しようとすれば、すぐにまた鍋みたいに沸騰し始める。

しめじのトレーを洗っていたら死んだ蟻がポロリと出てきた。

そろそろ彼が帰ってくる。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:3月のお金 必須要素:しめじ 制限時間:2時間 読者:27 人 文字数:32字
俺は三月に拾ったお金(11円)でしめじを買う。それだけだ!!! 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:金蓮花 お題:少女のサーブ 必須要素:しめじ 制限時間:2時間 読者:95 人 文字数:641字
「てめえこの野郎いまなんつった?!もういっぺん言ってみろ!!」「え……と、しめ、シメジパスタのお客様お待たせいたしました?」「馬鹿野郎!お客様はシメジじゃねーん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:はもにか お題:僕の嫌いな風 必須要素:しめじ 制限時間:2時間 読者:143 人 文字数:498字
僕には、嫌いなものがある。 風である。 人によっては、好きで好きで、仕方がない人も、あるかもしれない。けれども、僕は、どうにも好きになれないのである。 例えば 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:信用のない朝飯 必須要素:しめじ 制限時間:2時間 読者:193 人 文字数:471字
きのこだ。目の前にあるのはきのこ。きのこの山がある。「昨日、桃狩りに行ってね。きのこを取ってきたの」彼女はそう言って満面の笑みを浮かべた。花のように可憐で心が和 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:重い狸 必須要素:しめじ 制限時間:1時間 読者:4 人 文字数:1600字
目が覚めると、俺は和室にいた。両隣にはアーランと織棚が眠っている。そうだ、昨日俺たちは休みを利用して宿泊ツアーに来ていたんだ。今は何時だ・・・?壁にかけてある時 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:つらい駄作 必須要素:しめじ 制限時間:15分 読者:42 人 文字数:918字
「何か、これが自分だ。みたいな作品はありますか?」電話でそう聞かれて、言葉に窮した。これが自分だ?これが和委志千雅っていうの?なんだそれ?何者だ?「あ、あ、いっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:昼のアパート 必須要素:しめじ 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:481字
目を覚ますと、彼女の寝顔と僕の顔の間にシメジが一房生えている。僕は寝ぼけて回らない頭を起こして、それをもぎっと毟った。けれどあたりにはまだもう何房か生えている。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:清い蟻 必須要素:しめじ 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:1048字
野菜とキノコが食べたくなったので、スーパーに行ってそういうカット野菜の袋を買った。有識者的な人たちがカット野菜には栄養が無いと言っているらしいが、そういうことを 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:サカイP@0/120000字 お題:今の絵描き 必須要素:しめじ 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:620字
「『オコジョ@絵描き垢』さんは、しめじたんを描かないんですか?」 今朝、ふとTwitterを開くとダイレクトメールが届いていた。 しめじ? 何のことだ? 【オコ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:右の目 必須要素:しめじ 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:739字
私には、右目がない。なぜだろう、穴が空いているのだ。それはもう、先天的なもので、どうしようもないらしい。親はそんな私を、嫌っていた。憎んでいた。私だって、好きで 〈続きを読む〉

絹糸の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:誰かとお尻 必須要素:テニスボール 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:725字
金屋:ねぇ、尻の間にテニスボール挟まった場合どうしたらいい?スズ:は?ww待って詳しく教えて金屋:いや、いつも通り電車乗って座ったらテニスボールすっぽりはまった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:少女の家事 制限時間:1時間 読者:26 人 文字数:956字
少女は生まれたときから家族を知らなかった。物心付いたときには回りにはたくさんの同じくらいの子供と、先生達に見守られていた。少女は家族を知りたいとは思わなかったけ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:暗い幻覚 必須要素:「なんでやねん」 制限時間:1時間 読者:26 人 文字数:1052字
眠るのが怖い時がある。目を閉じて視界が暗くなるその状態で、意識を飛ばすのがとても怖い。誰かに襲われたらどうしようとか、一人でいることがとても怖くなる。だからいつ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:8月のキス 制限時間:30分 読者:28 人 文字数:852字
8月は甘くない。夏は開放的になるから、誰だってふしだらがあって当たり前だ。私だって高校生の時は好きでもない奴等と好き勝手に体を重ねていた。制服で食われるのは今し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:ありきたりな国 制限時間:4時間 読者:27 人 文字数:790字
がつんと食べたいという気もきっと起こらないのかもしれない。私が眺めていたのは、食堂のメニュー。大きさは「並」しかない。「なあ、お姉さん。大盛とかないの?」「おお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:黒尽くめのダンス 制限時間:2時間 読者:40 人 文字数:797字
黒と黒の間を縫うように歩いていると、足先が思わずステップを踏んでいる。両脇は、スーツばかり。背負ったままのリュックはどうにかしてほしい。足をそっと付けると踵まで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:思い出のサーカス 制限時間:30分 読者:26 人 文字数:902字
(冷たい牢に閉じ込められた大きな猛獣。火の上を渡る人間と空を飛ぶ少女。大きなブランコから手を降る少年と、玉に乗って怪しげに微笑む道化師。)…ああ。これがきっとサ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:とんでもない死 制限時間:2時間 読者:32 人 文字数:1061字
夜寝ている間に死んでいた私の気持ちを誰が分かるだろうか。変哲の無い1日の終わりに、私は命まで終わらせてしまった。本当に特別なにもしていない。死んでしまったことに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:うへへ、電話 制限時間:1時間 読者:36 人 文字数:1527字
初めて付き合った彼女はバーチャルに近い。俺達はオタクしか集わない、言わばオタク専用のマッチングアプリで出会った。当たり前だが、オタクなので精通している場所が一緒 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:絹糸 お題:生きている話 制限時間:1時間 読者:23 人 文字数:801字
今日もいつも通り、お昼前に目が覚める。布団を上げてぼんやりと空を見る。空腹を感じてくる頃は大体お昼時だ。こんな貧乏だと気分が良い時や上げたい時にツナ缶をひとつ食 〈続きを読む〉