ユーザーアイコンDDT
お題:刹那の血液 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:42 人 文字数:478字

縁起でもねえ
子どものころから破天荒でならした兄が、結婚すると言い出した。
長らく別居中の妻子がいる身でありながら。

動転した母親が俺に泣きついてきたので、しょうがない。
5年ぶりくらいに兄のところにでかけていった。
仕事は自分で会社をやっているとかいっていたが、内容は知らない。

一人暮らし適当の狭いマンションには、机とパソコンと無造作に積み重ねられた書類の束やカタログしか見当たらず、生活感は見られなかった。
しかしそこにはすでに、件の女がいた。

何故か高級そうなお召しを着こんだ女は、背筋を伸ばして正座しつつ、俺にクッションをすすめてきた。
クッションの下にも黄ばんだ紙きれ。
役所でとった誰かの戸籍謄本と思われた。
「なにかヤバい商売でもやってるんじゃないの?」
と聞いたら、突然鋭く甲高い声で女が笑ったので、俺はびくりとした。
のんびり顎をかいている兄が口を開いた。

「ほら、昔からの俺の親友の多胡、おぼえているだろ。彼女ね、奴の奥さん」
にっこりと会釈する女。
「まだ離婚してないんだ」

谷崎潤一郎じゃあるまいし。
幸せそうなふたりをみつめていた。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:秋牛/七宝明 お題:戦争と靴 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:57 人 文字数:651字
ショッピングモールの休憩スペースは、僕らと同じように、なんだかげんなりとした男性の姿が多く見えた。きっと同じ境遇の人達だろう。同情的な気分を抱きつつ、僕は隣で本 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:今年の豪雪 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:45 人 文字数:828字
今年の冬は豪雪だ。ひどい天気だ。とかいいつつ自分の地域で雪は降っていないから、豪雪がどうかわからない。「死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:beta0874 お題:くだらない音 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:72 人 文字数:727字
そこには白と黒のモノトーンの世界が広がっていた。不思議な光景だ。ふらふらとした足取りで、白と黒が交互に折り重なる階段を進む。ここはどこだろう。どうやってやってき 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
人の耳 ※未完
作者:むぢから お題:マイナーな耳 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:64 人 文字数:418字
昔の人がやらかしたせいで、人類は少しめんどくさい存在になってしまった。普遍人類に分類された僕は、顔を隠さずに歩くと好機の目にさらされる。異世界とか、科学者のみな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:阿呆鳥 お題:団地妻の発言 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:70 人 文字数:771字
「私たちは常に性に対して奔放で、旦那の支配から解放される権利があると思うのよ。だって、このかけがえのない一生のセ○クス・パートナーが旦那ひとりだけだなんて、そん 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:海の庵 お題:斬新な少数派 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:102 人 文字数:332字
大学で谷崎潤一郎が著作の『痴人の愛』に関するある議題が行われた。ネグレクトされている子を引き取ることの是非についてである。勿論、福祉施設がまだ全く整っていなかっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:見知らぬ同情 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:153 人 文字数:882字
毎日、本を読むわけではないものの、電車移動がある日とか、文庫本が一冊でもあると安心する。その日、掴んだのは谷崎潤一郎だった。出かけに一切の確認をしないで掴んだた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:イっヌ・サイケデリっコ お題:どうあがいても別居 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:209 人 文字数:1044字
「好きな作家は?」の問いかけに「谷崎潤一郎、かな」と少し間を空けて答える。しかし、妻の顔は変わらずに一言だけ「はい、残念」と答える。そして、目の前のトレーに置い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:求めていたのは怒り 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:266 人 文字数:930字
学校に行くと、アリの巣穴のように多いコミュニティを形成している蟻女子が、「ねえ、こないだ怖い体験したのよー。暗いところを一人で歩いていたらー」と怖い話をしていた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨音 ♬*¨*•.¸ お題:求めていたのは怒り 必須要素:谷崎潤一郎 制限時間:15分 読者:165 人 文字数:715字
慰み物にされてでももっと愛されたかったんです、と、その本は言っていた。大学の課題で仕方なく読み始めた、谷崎潤一郎の本だった。そのとき私は、将也のことしか頭になか 〈続きを読む〉

DDTの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:DDT お題:都会の表情 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:354字
「深夜2時までにコンビニに持ち込めば、都内ならその日のうちに配達されるよ」同小・同中・同高の幼馴染、大岡が言った。今年の4月に俺たちは揃って、就職した。地元の大 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:犬の喪失 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:375字
思い出せない。目の前がたえず白く曇るような、100メートル先の景色がすべて歪んで平面にたたまれていくような。自分が何らかの袋になった気がする。ほらあれだ、土嚢。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:コーヒーと借金 必須要素:ポエム 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:403字
ご報告。今日から新宿駅南口に立っています。改札の前、エスカレーターの脇の死角にいます。駅員さんに注意されたらすぐいなくなるヘタレですので、興味のある方は早めに会 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:帝王の模倣犯 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:410字
どんなことにもピラミッド型の構造と状況がある。ふとしたことで自分がはまったのは、折り紙だ。それも名付けて、極小折り紙。自分は鶴しか折れないので、暇に任せて正方形 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:情熱的な空 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:312字
頭の中のこのメロディを何とか再生して、たくさんの人に聴いてもらいたいという欲望がある。漠然とそう気づいてから、はや二十年。はじめはこれほど困難なことになるとは思 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
このつづらは ※未完
作者:DDT お題:セクシーな家事 必須要素:マクガフィン 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:460字
インターホンが鳴る。いそいそとドアを開けると妙齢の、笑顔の女性が立っていた。「おまたせしました」豊かな胸のところで両手をあわせ、大事そうに大きめのバスケットを抱 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:同性愛の母性 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:387字
このバーに集まる我々で、密かに決めているルール、というか遊びがある。毎月一回、しかるべき日に全員集まってくじ引きをするのだ。当たったひとが「おかあさん」。一か月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:私の夜中 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:312字
体内時計の一日は、正確には26時間であるという。2時間は不測の事態に備えた予備らしい。頭では理解できた気になるものの、腑に落ちないので実践してみることにした。時 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:簡単な境界 必須要素:女使用不可 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:426字
小雨の中、自転車で登校した。いつもの通り時間ぎりぎりだったので、猛スピードでペダルをこいだ。教室に入ると同じ状況の奴らが多かったらしく、息を切らした余韻が残り、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:紅茶とダンス 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:382字
夕方、小学生が下校して児童館に居残った子供たちが集団遊びに飽いた頃。陽の光が陰り始めた、毎日訪れる境界線の上。手まわしオルガンのような眠気を誘う古びた音色を響か 〈続きを読む〉