お題:夜と太陽 制限時間:15分 読者:146 人 文字数:726字

透過体質
変死体の報を受けて、
私は日の出とともに現場へと向かった。


到着するやいなや、被害者の様子を確認する。

「こりゃぁ、ひどい」

横たわった男性の全身を覆うやけど。
それが被害者の死因なのは明らかだった。

「しかし、どういう事だ?」

被害者は着衣のまま、全身に火傷を追っているのだ。

「誰かが被害者を殺害した後、着火、消えた所に服を着せたのか?」

私は鑑識に所見を伺う。

「やけど以外に外傷はありません。
もし、この状態で服を着せ替えようものなら、皮膚がただれ落ちると思われます。
しかし、そういった物は見当たりません。」

「となると、考えられるのは……」


「服を来たままの全身やけどです。」

そうなると、気になるのはその手段だ。

「一体どうやってそんな事を……。」


「蒸気のようなものの可能性もありますが、
その場合は着衣に何らかの痕跡が残るでしょう。
死後1時間ほどしか経過していないと見られますので、
完全に蒸発したりする事もないはずです。」


「ううむ、手詰まりか……。」

その時、別の鑑識が何かを持って現れた。

「こちら、被害者の遺留品です。」

そう言って渡されたのは一冊のメモ帳だった。

「気になることが書いてはありますが、
これが役に立つかはわかりません。」

私はそのメモ帳を開いてみると、ほぼ白紙状態のメモ帳に一言だけ何かが書かれていた。

『太陽が沈まない。遮ることができない。』


私は脳裏に浮かんだ奇天烈な推理を打ち消すように
思わず声を荒げた。

「何だこりゃ、くだらん。」


そんな事はありえない。あるはずがない。
被害者が、太陽光の遮蔽物の影響を全く受けない特異体質でもない限り。
作者にコメント

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