お題:大きな囚人 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:976字
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目の前にそびえたつ黒と白のボーダー模様。身長175センチという日本男児にしては平均的な身長である僕だが、僕の目の前にいる彼は僕がどんなに背伸びをしたって、顔を上にあげたって、顔が見えないのである。

彼の名はデビット。彼はあまりにでかすぎる身長が仇となり、ある日、間違って道を歩く蟻を踏んづけてしまうように、待ちゆく人を踏んづけてその数25人をいともたやすく殺してしまった。
彼に与えられた判決は死刑。だがしかし、これにはある大きな問題があった。

日本の死刑を執り行う方法である絞首では……

「た、大変です! デビットの身長がでかすぎて地面に足がついてしまいます!!縄も体重に耐えきれない様子です!!」

電気椅子では……

「な、なんてことだ…… 彼の手足を押さえつけるベルトが機能しない……
ヘルメットも被ることができないぞ……!」

そう、彼は身長がでかすぎるがゆえに死ぬことさえもできないのだ。
でも、同じ牢獄に住む僕は知っている。彼は、いつも僕が寝たのを確認すると、声も出さずに泣いていることを。
彼は実はめちゃめちゃいいやつなのかも知れない…… なんて僕は思う。
こんなに成長したかったわけじゃない。
彼は、他のみんなと同じように育ちたかっただけなんだ。
でも、周りはそれを許さなかった。
僕はそれを知ったら死刑になるべきなのは彼、デビットではなく、彼をこんな運命にした世界や、神様、周りの環境や人々なのだと思う。

え? なぜ僕がこんなことを知っていたのかって?
そりゃ、僕が寝ている頭の上に1リットルほどの涙があたったら誰でも気づくでしょ。
何メートルあるかわからない場所から直に涙あたったら僕の顔面はひとたまりもないだろう。
毎日、寝返りを打つふりをするのが大変だしとてもヒヤヒヤするよ。

さあ、今日はいよいよ彼デビットの本当の最期の日となる。
50人もの人間を解体し、食してきた僕の絶好のチャンス。あとには絶対にこないであろう仕事。
今回は獲物が大きいからなあ…… ちょっと大変そうだけど……

僕は、顔も見えないほどの身長を持つ彼の四肢がもがれ痛みに耐えれずなき叫び、泡を吐き、失禁する姿を想像しては溢れ出てくる興奮を抑えるのに必死になった。

「さあ、そろそろ時間だ」

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