お題:うへへ、御曹司 必須要素: 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:431字

雨足チェイス 18/9/14 5
雨は冷たく都会を冷やし、夜の帳をかけていく。
道行く人は震える手でささやかな灯火のように傘を差す。傘はせめぎ合い、人の波をむしろ寒空の中に留めていった。
モリモトは黒い街の中で、黒い傘を追う。気づかれないようにするため、彼も黒い傘だ。
モリモトは注意深く向こうの傘を見つめつつも、心の一点はどこか遊んでいた。
うへへ、と心の隅は言う。
今追う男は大手企業の御曹司だ。仕事には一応取り組むが、どちらかといえば親のレールを誇示し、派手に遊んでいる。だからモリモトに目を付けられたのだ。
そんな遊び好きな御曹司は、もちろん金を持っている。親を脅すなんてハイリスク必要はない。ただ、奴から金を奪えばいい。
慎重さを重視した結果、モリモトは視界の悪い雨の日をわざわざ狙い、ずぶ濡れになりながら尾行し続けていた。
御曹司はボディーガードを2人連れて雑踏に呑まれていく。近くに屈強な男がくっついているからわかりやすい。モリモトは鷹のような目つきで歩きだした。
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