お題:楽しい英霊 制限時間:15分 読者:47 人 文字数:1185字

プンナムパパラヤー
 どこの国の部族か忘れてしまったが、「プンナムパパラヤー」という祭りがある。
 非常に楽しげな響きなので、そのインパクトある名前はよく覚えている。
 「プンナムパパラヤー」は、その国の英霊のために開かれる祭りだ。
 周辺の部族と長年対立し続けていたため、その部族間抗争で亡くなった英霊は歴史上数多く、彼らの霊を慰めるために、毎年夏に行われているらしい。
 楽しげに聞こえる響きに似つかわしく、飲めや歌えやの大騒ぎをするのだそうだ。
 わたしもこの、「プンナムパパラヤー」をやってみようと思う。
 慰めた英霊は、わたしの先生にあたる人物だ。
 先生は非常に開明的な人物で、それ故に保守派の攻撃によくあっていた。
 SNS上の先生のアカウントに攻撃的なリプライが飛んでくるのは日常茶飯事で、一度などは「あなたは病気だから入院した方がいい」なんてひどい書き込みもあった。入院、と見せかけて収監しようという企みは目に見えている。
 わたしは先生のために、そういう連中と戦ってきた。リプライを送って来た連中を、片っ端から通報してやったのだ。
 しかし、資本主義政府の犬に成り下がっている運営側は、まったく連中を凍結してくれなかった。
 そればかりか、わたしや先生のアカウントを、「攻撃的な内容を含んでいる」として、凍結したり挙句BANしたりしてきたのだ。
 そのせいで、わたしの132個あったアカウントはすべてなくなってしまったし、自宅のIPアドレスや3台ある携帯電話のどれもから、新規のアカウントが作れなくなってしまった。
 そんな時間稼ぎをされている間に、先生は亡くなってしまった。
 表向きは病死ということになっているが、本当は違う。保守派が暗殺したのだ。
 看護師の中に暗殺者を紛れ込ませているのは明白だった。わたしが教えてもらった病院へお見舞いに行っても、「面会謝絶の状態です」と言って通してくれなかったのだから。
 先生は、この独裁主義の悪の帝国と戦って死んだ英霊だ。
 それを慰めるために、「プンナムパパラヤー」を開かなくてはならない。
 わたしはリプライを送って来た連中の内、愚かにも個人情報を開示しているアカウントを発見、この男を「プンナムパパラヤー」へ招待することにした。
 この愉快な祭りは、英霊を殺した側の血を英霊の墓の前で流すことで、故人の悲しみを浄めるという目的があるのだ。その血を流す役目を、負ってもらおうじゃないか……。


 昨日、午前一時ごろ、××県××市××の住宅に女が押し入り、住人の×××××さんが殺害されました。女はすぐに同居する家族に取り押さえられましたが、「こいつが先生を殺した」「プンナムパパラヤー」などと意味不明な供述をしており、警察は同期を調べています。
 なお、この住所はいんたーねっとじょうでふとくていたすうにこうかいさr
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