お題:ナウい妄想 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:646字
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"NOW"
日の光の届かない、常夜の第4層。
階層都市オルデアは高層ビルが重なり合っている立体的な大型都市で、3層目から下は太陽を見ることはできない。

ネオンサインのついた定食屋で、黄色い固形物と缶詰に入ったペースト状のものを平らげる。
「おい、例のメールが俺のところにも来たぞ。」
端末をこちらに見せる、隣にいる痩せた男は安立と言い、僕と同じ下請け労働者だ。

『ナウい妄想をこのアドレスに返信してください。』

このような手当たり次第に送りつける迷惑メールが、階層都市のメールサーバーの89%を占拠しており、
1層の連中が「可及的速やかに対策を……」などと言っている。実際は何もしないが。
中でもこの『ナウい妄想』メールは、面白いからか出没頻度が高いからか、何故か話題になっている。

ナウいってあれだ、古代のいつの時代の言語だっけ。

そう僕が返すと、安立はからかうように笑いながら言った。
「返信してみる?」
やめとけ、アドレス晒すようなものだぞ。僕がそう言うと安立は「いいじゃん、どうせ中抜き会社支給の端末だし。」と言っている。

それなら被害は無くていいな。と相槌を打った。

「ほら、送ったぞ。うちのクソ上司がギャルに囲まれてオヤジ狩りに遭うっていう……」

安立が言い終わらないうちに、返信が届いた。
『あなたは当選しました。』


1時間後、小さなニュースが公共電波に流れた。
僕たちを虐めていた上司が、今時の恰好をした若い女性に囲まれ、変わり果てた姿で発見されたというニュースだ。
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