お題:意外な夏休み 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:1003字
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抽出されるメモリーだとしても
「『彼女』と恋人になってほしい。それが、我々からの仕事だ」
「……まじすか」
 被験者のアルバイト、として応募し、面接を終える。
 瞬時に紹介されたのは、白いワンピースを着こなした、清楚な美少女。
「い、いやいや、彼女の意志も確認せずに……」
「よろしくお願いいたします」
「まじすかっ」
「どうだろう、引き受けてくれるかね」
「ぜひにっ!」
 高校二年男子の嗜好の浅はかさに、自分でも恐ろしくなる。
 いくつかの注意事項と、彼女の自意識を尊重してほしいとの注意は受けた。
 ただ、安易に引き受けていいのかなってのは、やはり想うわけで。

(……でも、だって、仕方ないだろ)

 艶やかな黒髪に、男ではありえない肌のきれいさ。
 指も細くてきれいで、触っていいのかためらうような容姿。
 面会のビルを出て、陽の光を浴びた彼女は、どこかこの世の人間みたいには見えなくもあり。
「では明日から、時間を指定してお会いしましょう」
 ぎこちない会話も、無表情な反応も、"彼女"という関係のせいで、気になって仕方がない。
「う、うん、よろしくお願いします」
 ……とはいえ、やっぱり事情は気になった。
 面談の相手は、『とある理由により詳細は話せない』と、はぐらかされてはしまったのだけれど。
「でもさ、本当にいいの。君は俺のこと、好きでもないのに」
「"恋人"という関係を学ぶため、むしろ、その過程になぜ至るのかの情報が必要です」
「……そ、そっか」
「はい。あくまで敬一郎は、自然体に私と接してくれればいいのです」
「自然に、か」
「あくまで許容された範囲内で、ですが」
(……まぁ、健全なお付き合いということですね)
 当たり前の話だわな。
 ……それに、一ヶ月だけの関係なら、お互いに深入りしない方がいいのかもしれない。

 そう想いながら過ごす、彼女との――想定外の、幸せすぎる夏休み。

(一ヶ月、過ぎてほしくねぇな)

 独特な思考と対応をする彼女に、戸惑いながらも、俺は惹かれていった。
 一ヶ月の夏休み、それだけの関係だということに、怯えながらも。

 ――そんな日々が、折り返しを迎えた、ある日のことだった。

「……えっ?」
「――想定外です。適切な判断を計算中……」

 外出先で巻きこまれた、小さな事故。
 傷を負った彼女の足から見える、銀色の金具と、黒いチューブと、血のような液体と……。
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