お題:フニャフニャの嘔吐 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:514字

いきざま
大好きな人達と食卓を囲んでゆったりとすごすのが大好きだ。
夏はいい。
蒸し暑い都会を今日も一日生き抜いた、という感慨を抱えることができる。
汗を拭いながら冷えた飲み物で喉を潤す。
アルコールを入れても、すぐに汗になって出ていってしまうので、いっこうに酔わない。
じっとりと体に絡みつく下着も、まだ脱がなくて大丈夫だ。
いや、ついさっきまで一刻も早く全裸になってシャワーを浴びたい、と思っていたのだけど。
そもそも、酒はそれほど飲まない。タバコもやめた。女の方もすっかり遠ざかっている。
それでも、浴びるほど酒を飲み、タバコの煙を深く吸い込み、女の体をまさぐるような、
そんなふうに生きることもできる、と考えていたりする。いつでも、そっち側へは行ける、と。
今日も浴びるように飲んだことにして、酔ったふりをして、路地に顔つっこんでゲーゲーやってみる。
そうすると、どこかからすえた匂いが漂って来る気がして、その感覚にひととき身を任せる。
そのままそこで寝てしまってもいい。ふりだけど。
大声で歌ってもいい。ふりだけど。
裸でおどってもいい。ふりだけど。
今日も、生きているふりをしている。
明日も、生きているふりをするのだろう。
作者にコメント

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