お題:見憶えのある復讐 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:647字
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二人二役の復讐劇
 いよいよこの時が来た。緊張で汗のにじむ手を握りこみ、できるだけ自然体で駅のホームへ、エスカレーターを下る。見えたホームのタイルと、まばらな人、人。その中に少し目立つ色のスーツを着た会社員を見つけ、無意識に息をのんだ。そいつは、私の上司だった。
 私はこの日までどれだけこいつに苦しめられてきたことか。職場での嫌味、過剰な嫌がらせ。最近パワハラという言葉が持ち出されて、それの影響でさらに上の方々から言われたのか、少しはマシになっていたが、これまでの行いへの恨みは消えることはない。たまりにたまった鬱々としたこの黒い衝動は、原因を潰すまで消えることはないのだ。
 ホームに響く、電車の到着を告げる音楽。黄色いラインのギリギリで、後ろも気にせず携帯電話をいじるそいつの後ろに立つ。ゴトンゴトン、という音が聞こえ、光が差してくる。キィーッというブレーキの音が近づいて、速度を落としていく電車の顔が目の前に迫った。

「死ね!」

 そう叫んで、そいつの背中を思いっきり突き飛ばした。一回だけでは落ち切らないと思っていたので、さらに迫ってレールへと蹴落とした。瞬間、電車がスライドしてきて、見事にそいつを轢き殺した。横に落ちていったのだから、車輪には当たったはずだ。
 ――あたりがざわめき始める中、私はふと、妙な既視感に襲われた。まるっきり同じような風景を、あの上司によく似た人間に、されたことがあるような。
 いや、まさか。そんなはずはないだろう。
 私は、あわててそのありえない感覚に蓋をした。
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