お題:真紅の怒りをまといしハゲ 制限時間:30分 読者:44 人 文字数:467字

赤い彼方 ※未完
彼はほんとうに怒っていた。
しかし、その怒りをどこへ向ければいいのか迷っているふうでもあった。
そもそも、誰が悪い、ということもなかったのだ。
うっすらと肌の見える後頭部から盛大に湯気をたちのぼらせ、肩で息をしながら、ただそこに立っている。汗が2〜3粒 滴り落ちた。
手に持った四角く薄いバッグは少し形が崩れている。
「……少し遅れました……」
ぼそっとひとことだけ言うと、バッグをこちらへ投げ出すように手渡し、彼は膝から崩れ落ちるようにその場にうずくまってしまった。
「あの……、大丈夫ですか?」
声をかけても反応はなく、背中を上下させながら苦しい息にあえいでいる。
そもそも、彼を呼んだのはこちらなのだが、もちろんこんなつもりではなかった。
彼の赤いユニフォームは汗と雨で半々くらいに濡れていて、すこしどす黒くなっている。その色がまた彼の怒りを代弁しているように感じた。滴った雨または汗は、階段へと続いていて、コンクリートに残されたその痕跡はまだ当分消えそうにないくらい、たっぷりと水分を含んでいる。
あぁ、彼はいったいどれほどの
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