お題:犬の広告 制限時間:15分 読者:72 人 文字数:1025字

つくり
 あるネットショッピングに犬ばかり広告がでるようになった。
 こういうのは日頃から使ってる検索ワードで引っかかるらしいのだが家に犬はいない。誰かがパソコンを使って調べたわけでもない。じゃぁなんで表示されるのかといえば、見当がつかない。
「……」
 まず第一に家にいるのは2匹の猫と、4匹のハムスター。犬に繋がる要素がない。動物という概念は同じであるため、広告として犬を今後飼うかもしれないという暗示が秘められてる?
 人間の飼育さえまともにできなかったのにいまさら犬を飼うなんてありえないが……。
 薬漬けの実験サンプルはもう研究室に数多くいる。人の形をしたなにかさえも作られてる。パーツ化し、部分生存させてるものもある。
 ここにいるのはその失敗作。家に暮らしてるのは保管場所がないのと、どれだけ生きられるか、理解できるのかを調べるためであって、他に意味を持たない。動物というものに愛着はないし、人間というのに愛情をかける神経も持っていない。
 親はただの猫、ただのハムスターと思ってるみたいだけど、思考能力は人間以上。普通に放し飼いできるほどに猫とハムスターは人間アピールし続けてる。
 彼らもそれを理解してるためか親の前だと猫を被り続けてる。
 動物はもともと言葉を理解できる構造をしてるということもあるが、改良型は脳の使い方が異なる。より人間に近いと言える。
 とはいえ、食べるものは人間と同じとはいかない。味覚はそのまんまの動物である。その味覚さえ、失敗作はまともに感じることはできない。薬品で栄養をとるやり方でしか生きていけない。
 ただのサンプル。人間様という存在を活かすために作られた生命体。これから先も同じように引き取ってデータをまとめるのが私の仕事。
 どれだけの投与で肉体が壊れるのか、また精神がいかれるのか。そこに注意を向けるモノでしかない。
「ほら、注射の時間だ」
 言葉に従い、足元に動物が集まる。
 彼らが生きるための方法は私の薬品を受け入れることだけ。逃げ出すこともしようとはしない。
「……次」
 動物たちに注射をして気づいたことがあった。
 パソコンに表示された犬の広告は、動物の言葉をデータ化したものが反映されてるのではないか、と。様々な言葉でパソコンのデータを作り上げてるのだから、関係なくはないだろう。
 なら、次のパーツはパソコンとデータを取りあう、デジタル生命体に近いものを作るべきなのかもしれない。
 
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:びお~ら お題:最強の闇 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:482字
秋の終わり、空気の冷え込みだす夕方。重たい夕闇が街を覆っていく中を自転車で駆ける。じわり、じわりと闇がしみ込んでくる。汗ばんだそばから悪冷えし、顔から、手からじ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:匿名さん お題:かゆくなる消しゴム 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:592字
走り出した。ビチャビチャと海水で服が濡れて重くなっていく。果てもないような地平線でかつて彼女が海岸で笑っていた。今では、ただの海でしかない。ここからずっと行けば 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:最後の博物館 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:494字
小さな頃から通っていた、大事な大事な思い出の場所。 最初は両親と一緒に行った。 初めて来た場所、初めて見る物に興奮が冷めなかったのをよく覚えている。 子供の時 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:神の喜劇 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:312字
こと、とチェス盤に駒が置かれた。それを見ていた男がふーと息を吐いた。「また、手に詰まった」「ふふふ、じゃあまた交換条件が発動かい?」 交換条件。それは互いに手 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小泉 毬藻 お題:記録にないセリフ 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:391字
先生はボイスレコーダーを再生する。確かに流れてくるのは自分の声なのだが、話の内容を全く覚えていない。「本当に覚えてないんですか?」何度も聞かれたが覚えていない。 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:にい お題:死にかけの尿 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:1033字
夜、そっと夫の寝室を確認すると、無事に死んでいた。私は部屋には入らないままで、ほっと息をついた。家に帰るといつも生きているふりをする夫だから、ひょっとして生き 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
愛犬の最後 ※未完
作者:匿名さん お題:死にかけの尿 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:592字
大島良彦は四十年勤務した会社を三月に定年退職した。再雇用で六十五歳まで働くこともできたのだが、ひとまず区切りをつけて自由な身になりたいと考えたのだ。やりたいこと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:奇妙な恋 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:893字
ああ美しい。私は今日もあの方の虜である。彼はそこら辺の男たちとは見た目が段違いで、声だっていい。性格も優しくて、頭もいい。売れっ子アイドルであるから、私だけの彼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:サイバシ お題:平和と裏切り 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:670字
「裏切ったな! お前は、俺達を裏切ったんだ!」「許せ勇者……言い訳はしない」戦争があった。人と人とではなく。人と魔による、それぞれの種の存亡を懸けた戦争が。古の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:女の蕎麦 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:435字
蕎麦を打て!祖父からの遺言である。祖父、父、そして私と、このひなびた蕎麦屋を続けるか否か。三代目の士気の見せ所であった。が。はっきりいって、それほど蕎麦に興味が 〈続きを読む〉

日ノ宮理李@バブみ昆布の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:純粋な高給取り 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:882字
位の高い人だからと窓際に移動させられて2日。「……」 社内メール閲覧と、ネットサーフィンをし続けるのもだんだんと飽きてきた。学生自体とやることが変わらない状態 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:小さな境界 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:867字
ルームメイトだからこそきっちりしなきゃいけない部分がある。「ここから先はぜったい入っちゃダメだからね!」「えー入れないと眠れないじゃん」 そういって彼は指をさ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:絶望的な策略 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:576字
罠というのは、発動しなければただのオブジェクト。「……はぁ」 そのオブジェクトと化したぼくの罠の数々。イノシシやら、鹿やら、クマやらの大型猛獣を絶対にほしいと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:日本式の冒険 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:1024字
冒険今すぐしたいと思ったのはきっと僕だけじゃない。 同じ状態で、同じ行動を、求めなかったものを手にしたら、考えることは一つ。「なんでかなぁ」 部屋のカーテンを 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:哀れな微笑み 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:945字
飛び降りる時に見えた彼女の顔は笑ってた。 それがどうしてなのかを考える前に僕は地面とぶつかってた。 即死のはず、誰もがそう思ってた。 意識を取り戻した時、僕は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:わたしの好きな動揺 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:900字
動悸が強くなればなるほど、わたしは彼のことが好きなんだって気付かされる。 優秀な彼はことあることに体育館で表彰される。その姿をみるだけでわたしは赤面した。自分 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:セクシーな衝撃 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:1231字
出会い方は人それぞれ。 私には私の出会いがあったように彼には彼の出会いがあった。 私がその隣に入れないのはとても悔しい。 けど、それは彼女が行動して、私が行動 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:これはペンですか?違うわ、それはピアノ 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1059字
旋律を奏でるのに楽器は必要ない。音符を並べればそれだけで音楽はできあがる。作曲なのだから当たり前と言われるかもしれないが現実は違う。「……ん」 出来上がったフ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:ぐふふ、エデン 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:889字
「ねぇ最近寒くない?」 薄着のルームメイトは困惑した様子でこちらを見てくる。「薄着をやめたらいいんじゃない?」「そしたら冷房入れられないじゃん」 なぜ冷房なのだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:熱い絶望 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:916字
思い出って懐かしさもあって、辛くもある。「……久しぶりだね」 かつて一緒の夢を見てた友だちのお墓にそれぞれお線香。最近はやりの甘い匂いがするタイプ。匂いだけは 〈続きを読む〉