お題:難しい雨 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:871字

ゲリラ豪雨の正体見たり
『設問.人間界へ大粒の雨を降らせよ。また、それによって得た効果を実施後記載せよ。』

「また天気問題かよ、苦手なんだよ」
ぱたぱたと小さな白い羽を揺らしながら、幼い彼は小さくごねた。
「そんなこと言って、この設問くじ引きで引いたのエイくんじゃん」
傍らには黒い羽を持った同じように幼いビイは、逃亡を図ろうとする彼を捕まえて言った。
その二人のそばをサラリーマン風の男が過ぎ去っていくも、彼らに気づいた様子もない。
「効果って何にする? 雨っていうと……結構人間に迷惑かかる感じだけど」
「駄目だよ。天使は人間に幸せを与えるものじゃないと」
ふよふよと空に浮きながら、幼い二人は人間界の町並みを飛んでいる。
天使初級合格試験。人間に姿の見えない素っ頓狂な存在である彼らが今素っ頓狂な設問をクリアしようとしているのにはわけがある。
設問の描かれた羊皮紙とにらめっこしながら、二人はとりあえず、というように指を空の方へ向けた。
ぱらぱらと降り出した雨は次第に勢いを増して行き、ざあざあと粒が大きくなっていく。
「まってビイ、俺そろそろコントロール効かない」
「ええ、ちょっとエイくん、頑張ってよ」
勢いは緩むことなく、土砂降りと言われるものになっていく。
「やべー! やべー!」
「ちょっとぉ……」
不快そうにつぶやくビイを見て、エイは何とかしようと空に向けている指をブンブン振った。
「ごめんって、まって止まれ止まれ!」
「エイくんそんな急に……」
すると土砂降りは徐々に勢いを殺していき、遂にはカラッとした晴天になる。
おまけに虹までかかっている。
降水時間、3分。これでは効果も何もあったものではない。
「あーあ、止んじゃった……」
「なっビイ、虹出たぜ、虹、効果もうこれでよくない?」
「えーそんな屁理屈、絶対先生に怒られるよ……」
何とかいいながら、エイはすでに羊皮紙に効果として書き連ねている。ビイはそれを見ながらため息を吐く。彼らはまた不合格の烙印を押されてしまうだろう。

ゲリラ豪雨の正体はこんなことだったり……するかもしれない。
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