お題:猫の天使 制限時間:15分 読者:34 人 文字数:410字

そうだ、君の名前はホンダにしよう
「先輩、私の正体が実は天使ちゃんだったらどうします?」
 私がとびきり緩んだ笑みをつくって言ったのに、先輩はこちらに見向きもしないで、本を読み続けている。んー、という生返事は絶対考えたフリをしているだけで、だってほら、今ページめくった! あー、ひどいんだー。そんな先輩なんか突風にページを攫われるか、そこでキャッキャしてる少年たちのサッカーボールで、不意に顔面を強打してしまえばいいんだ。
 はあ、ため息。私の膝で喉をゴロゴロさせていた猫ちゃんが、細目で私を見上げます。その要望に応えて顎を擦ってやると、さっきの私みたいにあざとい顔をしながら、喉の振動を強くさせた。ふむ、やっぱり、私ってば、天使だと思うんだけどな。こんなにも猫ちゃんを気持ちよくさせてるんだもの。ねえ? 先輩?
 横向いた私、きゃあ、と言いつつ思わずガッツポーズ。

「うわあ、ごめんなさい!」

 謝る少年たち。のけぞった先輩の顔。それ、見たことか。
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