お題:白い彼方 必須要素:胸キュン 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:917字

臨鬼応恋 early summer夏少女
 まあ、ちょっと考えて見るとこのearly‐summer、もとい有り様と言ったら奇妙な事に、初夏っぷりのこのピーカン照りの午后にニット帽なんて被っているんだから、第一印象――厚くないのか? なわけだが、然もありなん、出会い頭の激突が招いた不幸は主に彼女の側にあるのだが、まず目を見張るのがすっ飛んだピンクのニット帽、否、彼女の額の生え際あたりからにょんと生えている可愛らしい角なのであるが、さて動物は角の立派さ如何で序列が決まるだのなんだのと言う顰に倣うならば、ちょっと弱弱しい感じもするのだが、その結果導き出された結論と言うのが、こうだ。
 初夏の麗らかな午后に、俺は鬼の少女と出会った。
「な、な、な」
 と、彼女は尻もちをついて、こちらを睨みつけながら、実際は混乱しているのだろう、両手は届く範囲をやたらと漕ぎまわって、見るに無意識か落としてしまったニット帽を探しているらしい。今更手遅れであろう。投げ出された華奢な両脚の付け根に慎ましやかな純白の下着が明け透けに開陳されてはいるが、そんな事で胸キュンときめかすほどおめでたい状況じゃないのは理解している。正解があるとすれば、何も見なかったことにして踵を返しこの場を立ち去る、忘却の彼方へ、いざ参らんとするべきなのだが、こちらも正直判断にあぐね気味と言うらしく、このまま鬼を相手に背後を晒す事の意味について熟考を強いられる刹那なのだ。基本的に、鬼と言うやつは好戦的と相場が決まっている。良くない連中だ。人通りの少ない田舎道とは言え、町の真ん中でこんなのに出会うのは、一世一代の椿事と言うほかない。諦観。とすれば、やられる前にやる。
「み、み、み、見たなっ」鬼の少女が立ち上がる。今の今まで呆けた顔をして尻もちをついていた少女とは思えない俊敏、かつ、機敏な動き、鋭敏な神経が殺気を感じて胃液がこみ上げてくるのを何とか気合で抑え、その――見たな、と言うのは下着の事か角の事か、と問いかけたい気持ちをぐっとこらえて、
「その、見たなって言うのはパンツの事か、それとも角の事か?」と俺は口に出していた。
 白い彼方。意識がブラックアウトとはよく言ったもので、俺が覚えている最後の光景は。
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