お題:明るい潮風 制限時間:30分 読者:30 人 文字数:682字
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猫と僕と冒険の書 <34>
「おまえら、小鉄に何をした!」
「ただ鎮静剤を打っただけダ、じきに目覚めル。それより、おまえたちだが、」
 小鉄はただ眠っているだけだと言い張るが、どうにも変だ。どう変か言えと言われたら言葉に詰まるが、変なものは変だ。僕が言い返せないでいるのをいいことに、男は小鉄を掴み上げて僕によこした。
「やつは関係ない、たまたま船に引き上げてくれただけだと言ウ。だからおまえたちを近くの港に連れて行って船に乗せてやル。ここでのことは忘れロ、いいナ」
「それじゃあジムはどうなって……」
「おまえには関係のないことダ」
 僕は袋をかぶされた。瞬時にして世の中が真っ暗だ。感じるのはさきほど渡された小鉄の体温だけ。そしていきなり腕を掴んだ何者かの手の温度だけだった。そう、僕は袋をかぶせられ、突如誰かに腕を掴まれ歩くことを強要された。腕を強く先導され、トラックの荷台に乗せられた。
 エンジンのかかる音がしてトラックが動き出した。目隠しされたような状況で周囲のことは一切わからないが、小鉄がごそごそ動いているのはわかった。
「~~~~?」
「~~~~?」
「~~~~~~……」
「~~~~。~~~~」
「~~~~~~!」
 世界が真っ暗の中、いきなり悲鳴が聞こえバタバタ音がしたかと思ったら、同様にいきなりしんとした。わけがわからない。
 ずるっと落ちかけた袋をそのままにしていたら、だんだんと開けてくる視界の中に、気絶している男たちとはっきり目を覚ましている小鉄がいた。
「小鉄!」
「にゃん」
 どうやら、トラックの運転手も含め、小鉄が伸したらしい。小鉄はどこか誇らしげだ。
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