お題:穏やかなプレゼント 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:1275字

プレゼントを君に
「激しいプレゼントとそうでもないプレゼント、どっちがいい?」
 あまり聞かれたことのない質問をされて、僕は戸惑った。
「激しいプレゼントと、そうでもないプレゼント。ねえ、どっちがいい?」
 重ねて彼女はそう聞いてくる。
 彼女は、木崎さんはクラスメイトだが、そこまで親しい仲というわけでもない。たまにしゃべるが、連絡先も知らないような子だ。
 その彼女が、何故こんなことを聞いてくるのか。僕にプレゼントをくれるということなのか。それにしたって、変な二択だと思うのだがどういうことなのか。謎は尽きない。
「激しいプレゼントとそうでもないプレゼントだよ? どっちがいいの?」
 三度目の質問で、僕はようやく返事をする。
「木崎さん」
「何?」
「激しいプレゼントって何?」
「激しいプレゼントだよ」
 答えになっていない。
「じゃあ、そうでもない方は?」
「激しいわけじゃないけど、激しいと言う人もいるかなってぐらいのプレゼントだよ」
「どういう人が、激しいと言うと思う?」
「君は多分、どっちも激しいって言うと思うよ」
 結局どっちも激しいんじゃないか。そう言うと、木崎さんはきょとんとした顔で僕を見た。
「別に君にプレゼントをあげるなんて、一言も言ってないよ」
「……じゃあ、何で僕に聞いたの?」
「聞きたかったから」
 動物か。衝動的に行動するのは止めてほしい。
「だから教えて。激しいプレゼントとそうでもないプレゼント、どっちがいい?」
「……穏やかなプレゼントかな」
 えー、と木崎さんは不満そうに眉をしかめる。
「二択だよ。二択で答えてよ」
「じゃあ激しいのでいいんじゃないの?」
 僕に被害がないのであれば、激しくたって構わない。
「ふうん、意外だね。君って穏やかなプレゼントを望むのかと思ってた」
「望むよ! さっきそう言ったよ!」
 ちょっと意味がわからない、みたいな顔を木崎さんはする。それはこっちの気持ちだ。
「じゃあ、激しいのにするね」
「誰にあげるの?」
「君」
 はい、待っておかしい。
「僕にあげるわけではないんだったよね?」
「そのつもりだったけど、激しいのを選ぶんだったら、君にあげてもいいかなって気持ちになった」
 誘導じゃないか。
「ねぇ、嬉しい? 女の子からプレゼントもらえたら、嬉しい?」
「激しいのじゃなかったらね」
 えー、と更に木崎さんは不満げである。
「わたしのこと嫌い?」
 それもこっちのセリフだ。
「それで、激しいのって何なの?」
「女の子の口からは言えないもの」
 え、と僕はドキリとした。
「言いたくないもの」
 木崎さんはさらに言葉を重ねた。
「あげるね、明日」
 そう囁いて、木崎さんは教室を出て行った。残された僕の顔は赤い。
 その夜は眠れなかった。かなり悶々としていた。
 翌朝、教室で先に来ていた木崎さんは、恥ずかしそうにそれを鞄から取り出した。
「はい、これ」
「え、何これ……?」
 差し出されたのは何かの飴のようだった。パッケージに「激しい男の檄辛キャンデー」と書いてあった。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:1000のお金 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:314字
"職業:武器商人" 平和な世の中では閑古鳥が鳴くが、貧困国での度重なる内戦、先進国での相次ぐテロという世の中なら、大儲けできる仕事だ。まっとうな商売ではないので 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にい お題:すごい人間 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:800字
隣に越してきた男が毎夜空を歩いている、と嘘つきで有名なBくんが今日もクラスを騒がして、その代償としていつものように下校途中に田んぼに突き落とされていた。ので、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:限りなく透明に近い表情 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:360字
海には水があると、ついつい思い込んでしまうように、瞳から涙が零れ落ちるだろうと、思いながら見つめていた。「チキンナゲット食べて帰ろうぜ」 そう言って振り返った 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
授業 ※未完
作者:日ノ宮理李@ハナねね町長 お題:失敗の小説上達法 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:940字
ものごとには準備があって、予習復習を繰り返す必要がある。試験であったり、大賞であったり、グランプリであったり、を。そして次にインプット。アウトプットするだけで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
習作46 ※未完
作者:夢路 お題:自分の中の海風 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:333字
毎日が辛い。 会社に行きたくない。 布団の中でもぞもぞしながらも、起き上がって支度をする。 故郷から上京して都会で就職をした。 しかし仕事は失敗ばかり、上司か 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:█████ お題:わたしの嫌いな爆発 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:581字
まずは、喉のあたりがボコリと膨らんだ。わたしの目は、スローモーションでそれをとらえるので、逆にそれが「自分の身に起きたことだ」と認識することができない。「感情な 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:オレだよオレ、彼 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:772字
僕にとって人とは「生物」の一種に過ぎない。ズババババァァァ!!!このように僕の指先から出る液体「お酢」さえ弾丸のように発射することができるこんな人殺し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:コーヒーと儀式 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:659字
「お前、本当に好きだよな」 友人にそう指摘されるほどには、俺の缶コーヒー率は高い。 特に、試験や大会の前日など、緊張する前はいつもそうだ。「おまじないみたいなも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:コーヒーと儀式 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:406字
注文したコーヒーが波紋を打ちながらこれを飲み干せと誘う。なぜ俺はこの憎き泥水を頼んでしまったのか。だから外食は嫌いなんだ。あのメニューも見せてくれない状況でカウ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐藤りーまん お題:愛、それは終身刑 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:681字
「美香子」淡くささやく声が聞こえた。思わず美香子は肩を竦める。背後にそっと立つ男に、振り向かずに声をかけた。「真一郎さん、きちんと話しかけてくれればいいじゃない 〈続きを読む〉

雨宮ヤスミの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:軽い音 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1033字
「お前の音は軽いんだよ」 村田はそう言い放った。言われた上坂は唇を噛んで俯く。バイオリンの弓を握る手に力が入る。「誰のために弾いてる? 自分のためでしかないだろ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:運命のオチ 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1206字
野村は大阪人が面白くてかっこいいと考えているらしく、大阪出身を自称していた。 実際は関東の名もなき県出身で、なるほどそんなところの出では大阪なんて土地に憧れて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:彼女が愛した血液 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:1048字
わたしは吸血鬼なの、と彼女は言った。片手に載せたワイングラスには、赤黒い液体がなみなみと注がれている。 わたしを満足させられる? 彼女はワイングラスをこちらに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:昔の殺人犯 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1016字
K市の西に位置する日暮山には謎の怪人が出るという伝説があった。 今から30年ほど前、K市で通り魔殺人が起こったのだが、その犯人が日暮山に逃げ込んだ。警察は山狩 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:死にぞこないの善 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:975字
「あんたが俺を殺してくれるのか?」 真っ白い空間で、白髪に髭の老人と向き合った不二ミノルはそう言ってニヤリとした。「○す? 何故、そう思う?」 老人は厳かに問い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:シンプルな性格 必須要素:英検 制限時間:1時間 読者:34 人 文字数:2416字 評価:1人
2010 6 ××高等学校 普通科 中退 以上 白いな。 横に長いマスが、嫌味たらしくたくさん縦に並んでいる紙を見て、俺は顔をしかめた。 その一番上で二行しか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:遠い血痕 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:965字
A市のとある道路脇で女性の刺殺体が見つかった。 頸動脈を切られて殺されていたが、殺害方法に比して周囲に血痕は少ない。警察は、別の場所で殺害されてこの場所に遺棄 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:穏やかなプレゼント 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:1275字
「激しいプレゼントとそうでもないプレゼント、どっちがいい?」 あまり聞かれたことのない質問をされて、僕は戸惑った。「激しいプレゼントと、そうでもないプレゼント。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:帝王のいたずら 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:1108字
「暗黒の帝王より、虚ろな光の下で過ごす愚かなる人間に告げる。遠足を中止しなければ、多くの人間が死ぬことになるだろう。暗黒の帝王を崇めよ……」 とある中学校に届い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:黄金の負傷 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:1013字
「呪われた金の延べ棒」の噂をご存じだろうか。 それは、今は亡きある富豪が保有していたいくつかの延べ棒の内の一つで、これを持っているものは富豪の霊に呪われるとい 〈続きを読む〉