お題:来年のこだわり 制限時間:15分 読者:59 人 文字数:763字

私の目標
 さて、と目の前の真っ白な紙を見据えて私は腕をまくった。
 本日は先生からの課題で「かきぞめ」とやらをやらなくてはいけないのだ。先生がいた「にほん」とかいうところで行われていた伝統ある行為らしい。本来なら年初めに抱負を書くのが習わしらしいが、あいにくこの世界では年初めなんて存在しない。時間に区切りなんて存在せずずっとずっと続いているからだ。にほんでは365日で1年という単位で区切りをつけているらしい。詳しくは忘れてしまったけれど。
 いけない脱線してしまった。こんなことを考えている場合ではないのだ。とにかくなにかしら目標だったりを書かなきゃいけないのだ。私の後ろでゆっくりお茶をすすりながら先生が見ているし、何も書かないという選択肢は一切存在しない。
 「大丈夫かい? 書き方は教えたから書けるだろう?」
 相も変わらず穏やかな声で先生は私に話しかける。
「馬鹿にしないでください。先生の指導で文字は書けますし、このふでとやらで文章も書けるようになりました!」
「何やら考え込んでいるみたいだったからさ。とりあえずなんでもいいよ、好きなことを書いてごらん」
「好きなこと」
 にこにこ笑いながら先生は促した。ふむ、と私は手に顎を当てる。好きなことでいいと言われてしまった。けどせっかくならいつの日か達成したい目標でも書いてみたい。元々かきぞめとはそういうものらしいし。達成したい目標、そうだそんなのひとつしかないな。ついでに折角だから先生の住んでいた世界での言葉で書いてみたい。そうとなったら聞くことは一つ。
「先生。『先生のお嫁さんになる』っていうのは先生の世界の言葉でなんと書くんですか」
「とんでもないプロポーズされてしまったけど、それ本気で書くつもりかい」
「私はいつでも本気ですが」
「はは、そうだったね」

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