お題:来年のこだわり 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:660字

夜店のヨイチ
「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい! 質のいい未来の大安売りだよ」
男の持つたらい桶を覗き込む。そこには、よく冷えた水に色とりどりの「ミライ」が浮いていた。
時代は進み、人は一般教養を脳にチップで埋め込み、理性を口に頬張り、未来を買い取ろうとしていた。
夜店で赤い照明に照らされたカラフルなそれは、一時的な幻覚に過ぎないが、「ミライ」に違いない。
ミライ玉を買ってこめかみに当てたなら、あとは身につけた機器のどれから反応し、脳に幻覚作用をもたらす。まさしく理想の未来が手に入る。
今も昔も変わらないもので、祭りの夜店で手に入るものは子ども騙しのおもちゃだ。
本物を目にしたことのない少年少女は目を輝かせて水に浮かぶミライを見る。買って欲しいと袖を引く。
「一つくれ」
背の高い、黒い服を着た男が硬貨を差し出した。おおよそこの祭りに似つかわしくない、異様な雰囲気を発している。
店主の男は対して不信にも思わずに、たらい桶を差し出した。
「あいよ。お兄さん、どれでも好きなのを取りな」
黒い服の男は腕を伸ばし、ミライ玉を掴む。
水を垂らしながら掴まれた黄色い球体は、突如として発光した。
周囲から一瞬で視界が消え去る。
「現実でないものが見えるというのは恐ろしい。現実が見えなくなるということだからね」
発光する何かを掴む男が呟く。
光はどんどんと強くなり、ついに当たり一面真っ白になった。
耳鳴りのような甲高い音が鳴り止まない。
「理想の未来は見るものじゃなく、実現するものだよな」
男の声が耳元で聞こえた気がした。
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