お題:帝王のいたずら 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:1108字

暗黒の帝王の脅迫状
「暗黒の帝王より、虚ろな光の下で過ごす愚かなる人間に告げる。遠足を中止しなければ、多くの人間が死ぬことになるだろう。暗黒の帝王を崇めよ……」
 とある中学校に届いたこの脅迫文に、教職員達は頭を悩ませる。
「どうせアレでしょ、そんなこと起きるワケないヤツでしょ?」
 若い体育の教員は、同年輩の別の教員にそう言った。
「この学校の隅っこの方におる陰キャラの誰かが出しよったんでしょ。そんなんが人殺したりとか無理ですよ」
「言い過ぎじゃないですか」
 近くにいた別の女の教員が会話に入ってくる。
「しかも陰キャラって。この学校の生徒だったら大問題ですし、そういう風な目で子供達を先生が見ているのがそもそも……」
「別に本気で言うてるワケちゃいますよ」
 うるさそうに体育の教員は手を振った。
「そもそも、何なんスかこの暗黒の帝王て。帝王名乗っといて、やることが脅迫状て。アホとしか言いようがない。こんなんで遠足中止にしたら、図に乗りよりますよ」
「しかし、生徒の安全を考えれば……」
「ただの事なかれ主義ですやん。中学の間の遠足言うたら3回しかないんですよ? 生徒のことを考えるんやったら、やるべきでしょ」
 しょーもない、と体育の教員は吐き捨てる。
「その遠足で何かあったら、先生は責任が取れるんですか?」
「常に負っとるでしょ、責任なんて。生徒預かってるんやから。そういうのを脅しに使うとか、あんたが暗黒の帝王ちゃいますか?」
「止めましょう」
 最初に体育の教員と話していた者が間に入った。
「犯人捜して児童相談所に通告、それが一番や思いますけど」
「は? 学校の問題ですよ? 学校の中で解決するのが一番です。それに犯人捜しなんて、子供達を疑うような真似……」
「そんな甘いこと言うてるから、こういう方法が罷り通っとるんとちゃいます?」
「……!」
 女の教員はじっと体育の教員をにらむ。まあまあ、とまたもう一人が間に入った。
「ここで議論していても仕方ないですよ。先生も意見があるなら、さっきの教員会議で言わないと」
「そうですよ、全部終わった今言って、卑怯ですよ!」
 女の教員は新たな武器を手にしたかのように喜んで飛びつく。
「全部終わったから言うとるんです。そもそも、あんな会議、若輩の僕が口出せる場ちゃいますやん。みんなもう何とかして、これなかったことにできんか、みたいなことばっかりですやん」
 完全におかしい、と体育の教員は運動場をの方を見やった。
 夜の19時を過ぎた暗いそこでは、数人の教員が作業している。何やら複雑な図形を白線引きで描いていた。
「暗黒の帝王を、魔界に追い返す魔法じんかくとか」
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:福谷圭祐(匿名劇壇) お題:帝王のいたずら 必須要素:TOEFL 制限時間:15分 読者:93 人 文字数:642字
「帝王」というのは、彼のあだ名だ。3年A組、帝王。由来は、彼の自己紹介による。彼は入学して早々、「趣味は支配で、特技は統治です」と言ってのけた。クラス中は静まり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かたぎり お題:鳥の父 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:234字
鳥の父は雛のために餌をとる餌は隣の鳥がよくいく場所鳥の父はそこで全部とっちゃう 雛はおかげでいっぱいご飯食べれる一方隣の鳥はそんな鳥の父が嫌いで少しだけしか餌を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:憧れの兄 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:648字
ぼくはね、兄さんが羨ましかったんだ。 明るくておしゃべりが上手で、友達がたくさんいて。宿題をサボったことなんてなかったし、授業で当てられても、いつもきちんと答 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かたぎり お題:憧れの兄 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:160字
ないものねだりで兄弟姉妹が羨ましい兄なら色々と守ってくれそうな弟なら勉強教えて姉なら宿題やってもらって妹なら全部助けたくなるようなそんな感じしかし話をきくと大抵 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:激しい火 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:53字
激しい火が燃えたぎっている。夏菜子はなにもかも捨てると決意したのだ。決別したい過去も愛しい想いも...。 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:かたぎり お題:今度の瞳 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:138字
ああしたらこうなるこうしたらああなるというものではないというものにみえるが...みえるからというものであるにしておこうか...しかしそれは本当でない人がそれを信 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:残念な遭難 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:557字
「あれ?あれ?………ここ、どこぉ?」少女は真っ暗闇の中、手探りで洞窟をはいでて、あたりをやみくもに見まわした。――あたしは勇者。邪神を討伐してきた伝説の勇者。一 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:走る火 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:610字
目の前を、火が走っていった。 時刻は深夜。季節は夏。場所は墓地。怪奇現象が起こるのにはこれ以上無い絶好のロケーションに、今まで考えていた事も忘れて背筋が凍った 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:淡いコンサルタント 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:936字
「淡いコンサルタント? コンサルタントってあのコンサルタントでしょう? 人に意見とか言ったりする……。それのが淡いってどういう事やねん」 思わず関西弁になってし 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:わたしの嫌いなところてん 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:481字
会社の上司が俺の近くに住んでいることがわかった。その上司から休みの日に「遊びに来い」と誘われてお邪魔したのが昨日だった。上司は夫婦仲がいいことで評判で、しかも 〈続きを読む〉

雨宮ヤスミの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:暑い能力者 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:1121字
格安の賃貸アパートで、「壁が薄いために隣の生活音が全部聞こえてしまう」というエピソードは、枚挙にいとまがない。 ある会社の運営するマンスリーマンションなどでは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:戦争と汗 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1076字
「砂漠の国」は「草原の国」と長らく戦争をしていた。 しかし、戦争が長引くにつれ、資源に乏しい「砂漠の国」は追い詰められていった。「おかしい、我が国のラクダ部隊 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:刹那のカラス 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:1161字
わたしの通っている予備校には、「刹那のカラス」という都市伝説というかジンクスがあった。 予備校の校舎の隣に、建物の3階にまで達するような木が植わっているのだが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:愛と欲望の列車 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:1128字
アイリちゃんのことが僕は大好きで、だから肉体関係を持ちたいと常々思っていた。 そう言うと「邪な欲望だ」と友達に責められた。女の子のことを性欲処理の道具としか思 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:犯人は豪雪 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:1137字
「こんなのよくあるシチュエーションだよ」 どうしてミユキがこんなに落ち着いているのかわからない。わたしは顔をしかめた。 わたしとミユキは大学の同級生で、冬休みを 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:恋の善意 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:1202字
先輩のことが好きだ。 ボランティア部で一人でも活動する先輩が好きだ。 僕が入部したいと話したら、笑顔で歓迎してくれた先輩が好きだ。 一緒に校内のゴミを拾ってい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:どす黒い経歴 必須要素:繊細な心理描写 制限時間:1時間 読者:21 人 文字数:3322字 評価:1人
地獄トンネルは、僕らの街にある唯一にして最恐の心霊スポットだ。 山奥にあるレンガを積んだような外観の、いかにもそれっぽいトンネルで、正式名称は別にあるらしいが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:簡単な水 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:1140字
「会いに行けるアイドル」の登場により、アイドルというものは近しい存在になった。 握手会や手渡し会といった「直接会えること」がウリになるとわかると、多くの芸能事 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:トカゲのブランド品 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1070字
「人間至上主義の街」と言われるだけあって、アイソスには亜人の冒険者は少ない。 人型のエルフやドワーフはともかく、獣人種は本当に数えるほどしかいない。 そんな数 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:暗黒の魔法使い 制限時間:15分 読者:36 人 文字数:1419字
「『闇の魔法使い』という童話を書いたのだけれど、聞いてくれるかしら?」「もうタイトルからして嫌な予感しかしないけれど、一応聞くわ」 大鷺高校文芸部の真倉エミリは 〈続きを読む〉