お題:彼と門 制限時間:15分 読者:85 人 文字数:907字

開いた門の先
 門を叩きなさい、そうすれば開かれる。
 かつてそう聞いたんだ。だから、俺は目の前にそびえるあらゆる門を叩いてきた。叩いて叩いて、開け開けとやってきたんだ。
 だけど、本当は叩いただけじゃ開かれないんだ。門だと見せかけた壁も多いから。
 だから、開かない壁には叩く以上のことをしなくちゃならない。
 手で足りないなら足だ。足は腕の三倍の力があるから。足でもダメなら頭だ。頭突きは男の最後の武器だから。それでもダメなら、道具を使う。人間は道具を使うサルだから。
 鞄を使う。鞄を投げて叩きつけるようにする。ダメなら木槌を使う。それでもダメなら金槌を使う。それでもダメならもっと大きな金槌を使う。
 それでもダメなら、爆破するしかない。
 爆弾でふきとばない壁はない。少なくとも、俺が出くわした壁はみんな吹き飛んで行った。そうして俺は求めるものを得てきたんだ。
 だけど、今はかなり追い込まれている。
 爆弾が作れない場所に入れられてしまったのだ。こうなっては、手足や頭を使うしかない。
 開け、開け、と念じながら、俺は門を叩くしかないのだ……。


 ○○刑務所で昨夜未明、××死刑囚が自身の収容されている房の中で、頭から血を流している状態で倒れているのを、警邏中の刑務官が発見した。××死刑囚は警察病院に運ばれたものの、頭を強く打っており死亡が確認された。
 ××死刑囚は、五件の強姦および殺人の容疑で逮捕され、一か月前に行われた公判で死刑が確定し、執行を待っている状態であった。
 ××死刑囚は、マンションで一人暮らしをする女性ばかりを狙い、扉の鍵を小型の爆弾で爆破して押し入るという手口を用いて五人を強姦、殺害したとされる。
 近くの房に収容されている別の死刑囚は、「毎晩ドアを蹴ったり、叩いたりしてやかましかったし、怖かった。俺は三人を殺しているが、五人も殺していると聞いていたし、頭もおかしいように見えたので、正直生きた心地がしなかった。死んでくれてよかった」と話している。
 警察では、房の管理体制に問題がなかったか、調べを進めている。また、××死刑囚の精神状態が正常であったかも同時に検証を進めている。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:村田 有理@Yuri お題:彼と門 制限時間:1時間 読者:159 人 文字数:1877字
結論:彼と門をくぐることはなかった。私は、「ちょ、待ってよ!」と思わず言ってしまったけど何を言っていいのかわからなかった「私は……!」私は、なんなのだろう。思わ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:フニャフニャの口 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:263字
「ほへほへほへほ、ふみゃふみゃふみゃみゃー」「だめだ、全っ然わからない」 突然口周りの筋肉が弛緩してしまいろれつが回らなくなってしまう奇病、通称『フニャフニャ口 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
悲しき種族 ※未完
作者:いつもみんなにミニラ お題:思い出の同情 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:768字
帰りの道中、私は思い出す。あれから数時間はたったが、未だに彼らの言葉に私は打ちのめされていた。 「そんで最後は暴走するマシーンの下敷きになっちゃったよ。おかげで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:夏の理由 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:411字
ここにいる意味は何か。夏は残酷だ。俺の大切な仲間をどんどん奪っていく。親に、友に、彼女だ。3年前の今日。親が通り魔に遭遇して×された。あのときに見た親の顔はどん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
来年のこの日 ※未完
作者:akari お題:夏の理由 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:318字
深い青に立ち上る大きな入道雲。ひっきりなしに聞こえる蝉の声に包まれながら、私はぼんやりと空を眺めていた。 ――終わっちゃうなあ……。 今年も何事もなく過ごして 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:akari お題:朝の理由 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:330字
紙と鉛筆が擦れ合う音に私は目を覚ます。目を開ければ、昨日と全く同じ光景が目の前に広がっていた。 煌々と光る勉強机。かりかりと削れる鉛筆と黒く染められていくノー 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
節目 ※未完
作者:匿名さん お題:うるさい黒板 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:204字
色とりどりのチョークで描かれたイラスト。とりとめのない絵ばかりだが、見つめていると自然に視界がぼやけてくる。 この職に就いてしばらく経つが、この日ばかりはいつ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
つれづれと ※未完
作者:匿名さん お題:幸福な多数派 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:315字
朱に交われば赤くなる。ことわざにもある通り、集団の力は非常に強い。 どんなに自分を貫こうと足掻いても、嵐になぎ倒される樹のごとく、いつの間にか周りに馴染む自分 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:捨てられた春雨 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:389字
「……だめかぁ」 今回も失敗。私はため息をつきつつ、ごみ箱に作ったばかりのそれを投げ入れる。中を覗けば手つかずの料理が堆く積み上がっている。できる限り自分のお腹 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
饗宴 ※未完
作者:匿名さん お題:楽しい葬式 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:355字
目の前でどんちゃん騒ぎが繰り広げられている。棺桶の周りで、踊り、歌い、ただ騒ぐ。皆、喪服を着ているというのに、厳粛な空気など微塵も感じられない。 ――どういう 〈続きを読む〉

雨宮ヤスミの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:誰かと恋 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1299字
みーちゃんは言った。「恋とは落ちるものなのよ」と。「恋をしている間は、本当に恋なんてしていないの。恋とは落ちるものだから」 謎かけのような言葉だ。「答えになら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:光のテロリスト 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1085字
「光はこの世のすべてのものを等しく照らし出す。闇はあってはならない」 そんな教えを掲げる「世之光統一教」を名乗る集団が、各地に見られるようになった。「この世には 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:昨日食べた王子 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:1242字
成田って苗字だったので、そいつは「ナリキン」とか「王子」とかって呼ばれていた。 家が会社をやってて、お父さんが社長で、甘やかされて育ってきたんだな、と思わせる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:腐ったライオン 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1095字
郊外に建つとある研究所に、ある夜雷が落ちた。 その衝撃で誕生したのが、ゾンビライオンである。 実験動物として秘密裏に飼育されていたこのライオンは、研究所に買い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:あいつの薔薇 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:1364字
木崎くんは常に、制服の胸ポケットにバラを差している。 わたしはそれが気になってならないのだが、誰に言ってもおかしな顔をされる。 「そんなのしてないよ」というの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:赤い食卓 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:1106字
「今日のお夕飯は、ナポリタン、エビのチリソース炒め、そして冷やしトマトよ」 私の妻は、赤い料理しか作れない。 料理自体はうまいのだが、何の縛りプレイなのか、宗教 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:夜のぷにぷに 必須要素: 制限時間:1時間 読者:27 人 文字数:2291字 評価:2人
唐田は最近機嫌がいい。 「大学一年の春学期の間に恋人ができなければ、一生恋人はできない」なんていう大学内の噂を真に受けて、この世の終わりみたいな顔をしていた十 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:セクシーな風 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:1070字
近所にある「越智ヶ台」には、セクシーな風が吹くとされていた。 セクシーな風って一体何だよ、と思うのだが、要はスカートがめくれるくらいに強い風らしい。 中学に上 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:冬の広告 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:1181字
一面の銀世界、バケツを被り墨で顔の作られた雪だるま、お盆に載った南天の目をした雪うさぎ、入り口から暖かそうな光の漏れるかまくら、斜面を滑るソリと雪合戦……。「 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:斬新な目 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1316字
才能はないけれど、最強の格闘家になりたい。 小岩シズオはその思いが高じて、とある研究所の門を叩く。 非合法の人体改造手術を手掛けているというそこで、シズオはい 〈続きを読む〉