お題:春の太陽 制限時間:15分 読者:81 人 文字数:415字

回帰の太陽
皆が直立し、腕を振り上げて吠えている。彼はただぼんやりとそれを見ていた。白いタイル張りの室内に閉じ込められてから、彼はもう頭を開ける気力もなく、ただぼんやりと「彼ら」を見ていた。太陽を見たのはどれくらい前の話だっただろう。実際にはただなんの変哲もない恒星に過ぎない。際立って明るい恒星というわけでもないのに、どうしてここまで太陽に執着するのだろう、と彼は思った。惑星で生まれた、いわば田舎者に刷り込まれた回帰の象徴、それが太陽なのかもしれない。ただ、彼がこの部屋に閉じ込められているのは、まさしくそういう思考を持っているからに他ならなかった。

風が頬をなぜるたび、冷たさでピリピリと突き刺すような感覚を覚えた。もう春も近いというのに、まだ冬の寒々しさが残っている。
耳たぶが千切れそうだと思った。いつもつけているイヤーマフを、こんな寒い日に限って忘れてきた。ああ、いや、持ってくるなんてことはできなかったのだった。彼は自嘲した。
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