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12月の丸いコート
 オムニコートの上にブラシを引く。今日は先輩たちが来ていないからのんびり歩いてやった。ブラシが地面を通ると、人工芝は手で撫でた絨毯のようになる。それを位置を変えながら往復すれば、コートの半面が綺麗になった。
 コートの外、隅っこのほうでは新キャプテンがボールを数えていた。うちの部では練習を始める前にかごのボールの数をかぞえる決まりになっている。練習が終わった後にもう一度数えて、もし数が足りなければ大捜索だ。
 12月の風は冷たい。うずまって小さくなるか動くかしないと、寒くて筋肉がかじかんでしまいそうだった。
「……よし。おい打ち合いやろうぜ」
「オッケー」
 新キャプテンがボールを数え終え、かごからボールをひとつ持ち上げた。おれもブラスを脇に片付け、立てかけておいたラケットを握る。残りの半面をまだやっていなかったが、新キャプテンは咎めなかった。
 ボールを打ってくる、何度かボールの応酬が続き、おれのバックハンドがネットに引っかかった。
 秋の大会が終わり、3年生たちは引退した。それでもたまに顔を出す。
 ネット際に落ちたボールを拾う。テニスボールはまるで丸いコートみたいだ。
 
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