お題:僕の子犬 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:481字

子犬 ※未完
「くるみ」
名を呼ぶと小さな手足をむくむくと動かして子犬が振り向いた。まだ両手のひらに乗るような大きさだ。
「翔ちゃんは本当にくるみが好きだねえ」
亜希子が呆れたように笑う。白い麻のワンピースの下にジーンズを履いていた。季節は春から夏に変わろうとしている。
くるみが跳ねると、河原の湿った草の匂いが舞い上がる。
どんなに一緒にいても飽きることはなかった。
「亜希子もさあ、くるみのこと好きだろ」
「もちろん。それは当然。でも翔ちゃんほど溺愛してないって」
くるみが転がって腹を見せる。無造作に右手で撫でると喜んで尻尾を振った。
「私はさあ、くるみが大っきくなるまで一緒に居られるのかなあ」
その言葉に胸が詰まりそうになった。
結婚した時に子どもを持たないと決めたのは、亜希子だった。亜希子は、もう長くない。ずっと前から知っていたことだった。ただ二人で新しい生活を始めたら何かが変わると思っていたのも本当だ。
結局、二人で暮らす日々は平穏で豊かで、なんの代わり映えもしなかった。
その最中、翔がムクゲの子犬を拾ってきた。
頑なに飼いたがらなかった亜希子もほだされて
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