お題:栄光の民話 必須要素:ヘッドホン 制限時間:30分 読者:72 人 文字数:846字

帰らなかった少年
ある所に、竜が住んでいました。竜といえば、娘をさらったり、田畑を焼き払ったりする悪者というイメージが強いかもしれません。しかしこの竜は、とても良い竜でした。村人が堤防を作りたいと言えば、その大きな体で泥を運び、積み上げ、村人の手伝いをし、道が欲しいと言えば、森を切り開いて、大きな街道を作りあげてくれました。竜は、さみしがりやの竜だったので、自分が人に必要とされる事が嬉しくて仕方が無かったのです。村人もさみしがりやな竜を可愛らしく思っていました。
そんな竜の唯一の欠点は、とてもイビキが五月蠅いという事でした。その音といったら、粉屋の水車に雷が落ちるような酷い音をたてるのです。この村の村人はいつも寝不足に苦しんでいました。竜自身もそれを気にしてはいたのですが、眠っている間のイビキは本人(竜?)の意識の外にあるのですからどうしようもありません。竜はすっかり塞ぎこんでしまいました。
ある時、この村に変な旅人が現れました。妙に光沢のある服を着たその旅人は、村人の悩みを聞くとおもむろに、妙な機械をとり出しました。それは、丸い板を弓なりに曲がった細い板で結んだ物でした。丸い板の内側には、綿が詰めてあって、その部分を耳に当てて使うのだと彼は言いました。村人達は、それと同じような物を見よう見まねで人数分作りました。それを耳に当てるとどうでしょう。あの竜のイビキが、小川のせせらぎ程度にしか聞こえなくなりました。旅人は村に住むことになり、村長にまでなったのだということです。

ある所に男の子が居ました。男の子は、家族からも、学校からも忌み嫌われていました。理由なんてありませんでした。ただ、彼を罵る事が皆楽しかったからです。理由なんて後から沢山見つけることが出来ますから。自らの悪口を聞くことがほとほと嫌になった彼は、いつもヘッドホンを着けている事にしました。これで何も聞かなくてすむからです。

彼はある時、まっ白な絵本を見つけました。彼はその中に入って2度と出てきませんでした。

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