お題:うわ・・・私の年収、弁当 必須要素:体の一部がシャコになる 制限時間:30分 読者:43 人 文字数:908字

普通のOLミナミの華麗なる転身
まるでドラマみたいだなと思った。お医者さんが無表情なのも、母が泣きじゃくるのも。
「端的に言いますと、娘さんの腕の筋組織はいわゆる一種の甲殻類…おそらくシャコのものと置き換わっています。大変珍しい症例なので、治療法は現在見付かっておりません。」
それはそうだろう。私もそんな病気聞いた事が無い。
「か…。」
「どうしました?」
「…カブトガニでは無いんですね。」
「…おそらく十中八九、シャコのものかと。」
母は鼻をすすり上げてわっと泣き出した。
「せめて…せめてカブトガニだったら、母さん大学で研究していたのに…。ああ!こんな事になるのだったらシャコの研究をすれば良かった‼頼りない母さんを赦して‼」
シャコでもカブトガニでもどうでもいい。それよりも母さんがカブトガニの研究をしていたなんて初耳だ。
母の背中をさすろうとして、やめた。たしかシャコはとんでもないパンチ力を持っているのでは無かったか。別に私は母さんをミンチにしたいという願望は持っていなかった。

「そんな事もあったわねえ。」
母は暢気にお茶を啜っている。
「それよりなんで母さん私の控え室にいるの。」
「娘の体調が心配でない親がどこにいるのよ。後、私シャコの成長に関するホルモンをまた1つ見つけたんだけど…。」
「興行終わってからにしてよ…。ドーピングに引っ掛かるかもしれないじゃん。」
私は会社を辞めて、プロボクサーになっている。ぶっちゃけあんまり儲かってはいない。シャコのパンチ力はたしかに強力だが、その分体力を使うし、お腹も減る。計算すると、私の去年の年収はほぼ弁当代に消えていて、頭を抱えたくなる。
「もう少し燃費が良くなるといいのになぁ。」
なんて呟いていたら、コーチと行き合った。
「いいかミナミ!お前は強い‼相手が足の筋肉がカンガルーのものと置き換わる奇病だからって何だ!お前のパンチでオーストラリアに強制送還してやれ‼」
きっと誰よりも変わったのはこの人だろう。彼は私の主治医からコーチになって、母と再婚したあげくに、父親になっている。
「お父さん…解ったから。」
彼を受け流し、私はリングサイドへと向かった。


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