お題:8月のしきたり 制限時間:15分 読者:88 人 文字数:777字

海辺の村 ※未完
8月になると海に入ってはいけない。
この村に古くからある決まりである。
夏、海水浴、もっとも海に近づくものが増える時期である。風光明媚で波も穏やかなこの村は8月にもっとも多くの観光客が訪れる。そして、この村の収入源のトップは漁業でありその次が観光業である。8月になると、我が村の海岸線は完全に観光客と、観光客目当てに集まった業者に占有される。村は駐車場とショバ代で収入を得る。村人は決して海には近づかない。
ある時、海辺で怪我人が出た。怪我人は幼い子供で、その場に立ち会ったサーファーがすぐに村の医者を海辺へ呼びに行った。医者はなぜか海辺にいくことを渋った。しかし、子供の怪我の程度がひどくその場から動かすことが難しいこと、村の他の医者を呼びに行くと数時間はゆうにかかることから海辺まで行くことを了承した。
医者が海辺にたどり着くと、岩礁に足を挟んだ子供が満ちてきた潮の流れに揉まれて溺れかけていた。医者は慌てて海に飛び込み、子供を助けると、症状を見て応急的な処置を施した。
怪我の原因としては、子供が磯で遊んでいたところ転んで岩礁に落ちて、足を挟んでしまった。駆けつけたサーファーが様子を見ると、岩に挟まれた部分から出血が見られたため動かして良い状況かわからなかったらしい。
実際の出血は少なく、傷は浅かった。痛みの原因は主に海水が染みたことによるものであった。
医者は海から上がり安静にすること。危険な場所で一人で遊ばないことを子供に言い含めた。
子供の親が迎えにきて、海から帰ったその後も医者は海の中で何かしていた。
訝しげに話しかけたサーファーにも詳しいことは答えず、サーファーもそのうち帰ってしまった。
しきたりを破ってしまった医者は、もう二度と陸へ上がることはできなかった。
海の底にはしきたりを破ってにんぎょに戻ってしまった村人の村があるy
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