お題:どす黒い小説練習 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:899字

黒い文字
 黒い紙に黒い文字で小説を書く(あるいは、黒いディスプレイに黒い文字で小説を書く)ことによって、記憶力も同時に鍛えられるというスパルタスペクタクル練習法。某囲碁漫画でも同じ色の石で打つ話とかあったし、小説でもやってええやろ、と思ったので実践してみた。したがっていま自分がなんと書いているのか、読み返しながら書くことはできない。修正も困難。じゃあそういう感じで頑張ってみよう。(※なお、本作はフィクションであり、実際には白い背景に黒い文字で執筆されておりますことを、ご了承ください。)という但し書きも黒い文字。
 あるいは読まれないための小説があってもいいだろう、と思う。読まれないために書く。黒い背景に黒い文字を書くというのはその実践例のひとつではなかろうか。しかしプリント紙に印刷した場合、紫外線を当てるなどして読む方法はあるようだ。それでは読む手段を制限しているだけであって、読まれないために書けているわけではないから、実践は失敗といえる。黒い紙に手書きで黒い文字を書くのだって、筆圧が残る。また、パソコンなどの画面に黒背景黒文字で書いたとしても、選択すれば文字色は反転するわけだから、これもやはり読む手段を制限しているに過ぎない。つまり、背景と同じ色の文字を書く程度のことでは、読まれない小説を書くことは困難であり、この練習法はやはり単なる記憶力を鍛える脳トレーニングにしかならないということだ。いや、果たして本当にそうなのか? 文字を選択できないようにすれば可能なのではないか? CSSに-webkit-user-select:none;とでも指定して黒い背景黒い文字でアップロードすれば、文字色を反転させることはできなくなる。ああ、しかしそうか、その場合だとソースを覗けば読めてしまうのか。いや、ならばソースも覗けないようにすれば!
「というような話を延々延々と聞かされる身にもなってくれ」という幻聴が聞こえたところで、記憶力が途絶え、何を書いているのかわからなくなり、読み返すこともできず、なんだか保存するのが忍びなく、それでも削除する気にもならないまま、このパソコンは凍結されている。
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