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お題:怪しい暗殺者 必須要素:外国語・外来語禁止 制限時間:1時間 読者:48 人 文字数:1596字 評価:0人

殺意にまみれたこの世界で
戦争は悪だ。人を殺すなんて酷いことだ。ましてや人を殺したいだなんて思うことは…
幼い私はそう信じていた。無根拠にも。まだ感情という物の本質が制御不可能にあるという事を知らなかったのだ。制御など出来ない。殺したいのだ。いなくなってほしいのだ。二度と会いたくない。過去からも消えてほしい。

需要と供給があれば取引は成立する。殺意の需要にもそれは同じことで。殺人の需要は人類史始まってから途切れた事は一度もない。

「ご要望はありますか。」
「先生の良いと思う方を」
そういって仲介業をしている医者が紹介をしたのは風変わりな暗殺者だった。腕は確かだか何故か格安で仕事を請け負うらしい。
「彼が一番です。業界一の男です。」
そこまでいうのだからと彼とやらに任せることにした。私は暗殺には素人なのだから。
「ただし依頼は自分でなさって下さい。手段は教えますから。」

連絡手段は手紙だった。今時、手紙だなんて証拠の残るものをと言うと
「狼煙よりいいでしょう。」
とのこと。
「値段が値段ですし、情報漏洩を防ぐため連絡には時間がかかります。ご了承下さい。」
医者の言う通りはじめの返信は1ヶ月後で封筒が何十にもなった手紙が送られてきた。東京、大阪、北海道等々。
「私の居場所を知られないため全国各地を経由しています。途中で数回封筒を破棄して新しい封筒に移すなどしているため住所が一連にはなっておりません。」
たしかにその通りだった。それに一番内側の封筒は私が最初に依頼に使ったものを送り返していた。手紙は以下の様に続いていた。
「依頼を承諾しました。料金も頂戴しました。仕事に取りかかります。依頼内容はあなたの夫の殺害。そして依頼主本人も対象とさせて頂きます。」
そんな話は聞いてない。医者はどこだ。気がつくと家を飛び出しており一ヶ月前に訪れた小さな医院を目指していた。

「お医者さん?そこは昔からだれも住んでないわよ。」

「この封筒の元を辿れって?でも最後があんたの家なんだろ?まぁ探偵だからやってみるけどさ。20万ほど貰うよ。」





打つ手がない。あの医者と手紙以外の関係が私と暗殺者にない。

「おーい。そこのリモコン取ってくれ。今日はどっか食べに行くか?ほらお前あれ食べたいって言ってたろ。最近元気ないし、外でてみようよ。少しは気も紛れるだろう。」

「うるさい。私は、私は出たくないの。私の、私の気もしらないくせに。」私の殺意も知らないのになんて呑気な人だろう。そういう所が嫌いなのだ。
そういって泣いて取り乱すと夫は私を子供のように宥めた。

「仲介者に聞かなかったのですか。安い仕事には裏があるのです。もっとも依頼者もこの世から消して喧嘩両成敗というのが私の主義ですのでそういう仕事をしております。許せないのです。実際に手を汚さない人間が。そして、私だけが悪者でいたいのです。私だけが。分かるでしょ。」
ダメ元で出した手紙には幸い返信が届いたが内容は最悪だった。狂ってる。その一言しか出なかった。



「大丈夫か?どこか悪いんじゃないか。病院いこうか?」
「やめて、病院なんて、病院なんて。やめてちょうだい。大丈夫よ。大丈夫。あなたは私が守るから。」私のためにも



「そんなに嫌なら仕方ないですね。私を殺してやるだなんて言われたらやめるしかないですね。そうですね。2000万で依頼の破棄を認めましょう。」
私は絶対に死なない。夫も殺させない。依頼を取り消せさもないとお前を殺してやると感情のままに書きなぐった手紙は功を奏した。

「あなた。お願いがあるの。」
「なんだい。」




「相変わらず腕がいいな。誰も殺さず稼ぐなんて。」
「簡単な事さ。みんな自分だけは優位で一方的に人を殺せると思ってる。みんな忘れてるのさ、みんながみんな殺し合える素敵な世界だってことを」
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