ユーザーアイコン
お題:戦争と絶望 制限時間:15分 読者:96 人 文字数:861字

夢の終わりに立ち会う日 ※未完

 どうも私は気が狂っているらしく、ふたつの時間を交互に生きている。
 現在と100年後の世界、と言うべきか、100年前と現在の世界、と呼ぶべきか、いまいち判断が付かないが、ひとつの時間で眠ればもうひとつの時間で目覚め、そちらの時間で眠ればまた元の時間で目覚めるのだ。物心ついた頃からずっと。だからたぶん、夢というものも見たことがない。一日が二回あるようなものなので、実際の年齢よりも二倍生きているような気がする。

 もし私が信仰を持っていたなら、この馬鹿げた時間の感覚を、何かしら神秘的なものと結びつけて上手く折り合いをつけることができたのかもしれないが、残念ながら、どちらの時間に生きる私も無神論者だった。そもそも、ふたつの時間を同時に生きながら神の存在を信じる、というのは、なかなか無謀な試みのように思える。だから、どちらの時間の記憶も持ちながら、そして、過去の記憶と事実に相違がないことを未来の歴史資料で確かめてさえおきながら、私は自分が持つふたつの時間を、ただ気が狂った人間の思い込みであるということにしておいた。そういうことにしておけば、ある種の諦めもつく。医者に行こうとも思わない。もっとも、こんな話を馬鹿正直に告白したところで、診断書と薬をたんまり貰うだけで終わりそうな気がするが。

 過去の私は、この国の独立戦争に生きる兵士で、未来の私は、史学科の助教授として当時の戦争を専門に研究する人間として生きている。
 おそらくはどちらかが夢なのだと思う。兵士の私が、すべて終わった未来を夢見ているのか、助教授の私が、追い求める過去の姿を夢見ているのか、それを確かめる術はないし、どちらの私も、自分が夢だったとしても別に構わないと思っている。

 ささやかな問題は、兵士の私が、助教授の私の知識によって、この戦争は敗戦で終わること、そして私が参加しているこの作戦がひどい壊滅状態で終わることを知っているということだ。それでも、ただの一兵卒の人間に、いったい何ができるというのだろう? それに、もしかしたら、夢
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:戦争と絶望 制限時間:30分 読者:286 人 文字数:1336字
ふわりと何かが村の周りを舞い散った。雪かと思ったが、違った。雪はこんなに赤くない。雪はもっと白い物だ。そしてこんなに熱くもない。むしろ冷たいはずだ。それが火の粉 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Te お題:戦争と絶望 制限時間:30分 読者:322 人 文字数:3176字
ハトが飛んでいった。あれはきっと戦争を食べに行くのだろう。どこかで起こっている、血と油の匂いが籠った空気の中を、その羽が切り裂いていくのだ。彼が通り抜けて行っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:戦争と絶望 制限時間:30分 読者:397 人 文字数:1891字
戦って、戦って、戦って。その先に一体何があるのでしょうか。 あるとき、私の国と、隣の国が戦争を始めました。理由が何だったのかなんて、教養もない私には知るよしも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:青ぷよ お題:戦争と絶望 必須要素:足の小指 制限時間:15分 読者:260 人 文字数:1061字
包帯を巻きたくてたまらない時期が僕にもありました。 だって包帯、なにあの素敵アイテム。巻いてるだけでなにかカッコイイけど、意味なく巻くのは恥ずかしい。 それに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:326(さぶろー) お題:戦争と絶望 必須要素:「なんでやねん」 制限時間:30分 読者:399 人 文字数:557字
民衆の総意により戦争は始まった。それは、まさにチョコをチョコで洗う想像絶する戦いとなった。初めは「たけの」国が資源・軍事力ともに優勢で、勝利は眼に見えて同然で 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:絶望的な罪 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:818字
(#131) 自分が何らかの罪を犯している、あるいは過去に罪を犯したという経験は、自分の一生につきまとい続けることになる。 罪に対する罰は折に触れて訪れる。 そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ミズノガク@即興小説82日 お題:君の豪雪 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:433字
雪。いつも見ているはずの雪。なのに。雪を、こんなにも強く感じるなんて。北国生まれ、北国育ちの俺にとって、雪は当たり前のようなものだ。言わば、なくてはならない水や 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:あにぃぃ お題:君と絵画 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:757字
もうどれくらい経っただろうか。君とこの地へ逃げてから。いや、逃げてきたのではない。希望して、期待してこの地に辿り着いたのだ。この青い空に、この白く大きな雲に、そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:永遠の血液 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:300字
白浜に引き出された男は来たる時を待っていた。白装束に身を包み、読み上げられる書状。「罪状。人魚の血を飲んだと触れ回り、数多の人々から金品を詐取したこと。これによ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李はそこそこ歩いてる。 お題:純白の螺旋 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:784字
螺旋階段の魅力にはまった親が作ったのは、螺旋階段を主軸にしたデザインハウス。階段のまわりにぐるぐると部屋が分かれてるから非常に効率が悪い。 真ん中にエレベータ 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:求めていたのは液体 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:674字
人間たちは知らないことだけれど、南極には雪の女王が住んでいる。 彼女は、童話に語られるとおりに美しく、童話に語られるとおりに孤高で、そして童話に語られたのと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:ワイルドなライオン 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:333字
それは季節性の流行病のように、一年に二度ほどやってくる。 とてつもなく凶暴な、誰彼構わず当たり散らし、暴言を吐き、目につくもの全てを片端から壊してしまう、どう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:初めての娼婦 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:158字
私の身体を通り抜けたものは、快楽の代わりに忘却を得る。 どんな記憶も望むままに忘れられる。忘れてしまいところだけを的確に、覚えておきたいところには傷一つ付けず 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:おいでよ食器 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:260字
小さな博物館の常設展、その片隅、観光客もよほどの暇人でなければ立ち寄ることがないようなマイナーな区画が、彼女のお気に入りだ。考え事をしたいときなど、休日の朝か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:壊れかけのもこもこ 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:525字
毛布は良い。何故って、毛布は壊れようがないから。 その絶対的な真理を、ひとは、おそらく生後数ヶ月ごろには、無意識のうちに悟っているのだろう。子供がお気に入りの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:1000のぬくもり 制限時間:15分 読者:53 人 文字数:712字
「終末医療の一貫として」というお題目が無ければ使うことを許されないその医療魔法は、遠い昔の民話を依り代にしていた。一羽一羽が強力な麻酔と鎮静作用を持つ、甘い砂 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:近いお尻 制限時間:15分 読者:88 人 文字数:900字
死者の戻ってくる日、という風習は世界のあちらこちらにある。 東の島国では彼らの送迎まで用意するというし、西の大陸には気が触れるほどの鮮やかな色彩で彼らの帰還を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:刹那のコウモリ 制限時間:15分 読者:103 人 文字数:606字
一秒間の変身能力を手に入れた。 たった一秒。一日の内、たった一秒だけ、私はコウモリに変身できる。 数十冊の魔道書を読破し、怪しげな薬にいくつも手を出し、それこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:女の海辺 制限時間:15分 読者:97 人 文字数:798字
人魚の子を身篭った。 孤独な身の上、それも自営業だったので、誰にも説明を求められはしなかったが、切実な問題として、産むのに良い場所がなかった。人間の病院には掛 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:暗い心 制限時間:15分 読者:101 人 文字数:758字
火傷だらけの鬼がひとり、森を歩いてゆく。 その晩は新月で、鬼にとって幸いなことに、今にも雨を降らしそうな厚い雲が夜空をみっしりと埋めていた。風も重く、優しく、 〈続きを読む〉