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お題:戦争と絶望 制限時間:15分 読者:88 人 文字数:861字

夢の終わりに立ち会う日 ※未完

 どうも私は気が狂っているらしく、ふたつの時間を交互に生きている。
 現在と100年後の世界、と言うべきか、100年前と現在の世界、と呼ぶべきか、いまいち判断が付かないが、ひとつの時間で眠ればもうひとつの時間で目覚め、そちらの時間で眠ればまた元の時間で目覚めるのだ。物心ついた頃からずっと。だからたぶん、夢というものも見たことがない。一日が二回あるようなものなので、実際の年齢よりも二倍生きているような気がする。

 もし私が信仰を持っていたなら、この馬鹿げた時間の感覚を、何かしら神秘的なものと結びつけて上手く折り合いをつけることができたのかもしれないが、残念ながら、どちらの時間に生きる私も無神論者だった。そもそも、ふたつの時間を同時に生きながら神の存在を信じる、というのは、なかなか無謀な試みのように思える。だから、どちらの時間の記憶も持ちながら、そして、過去の記憶と事実に相違がないことを未来の歴史資料で確かめてさえおきながら、私は自分が持つふたつの時間を、ただ気が狂った人間の思い込みであるということにしておいた。そういうことにしておけば、ある種の諦めもつく。医者に行こうとも思わない。もっとも、こんな話を馬鹿正直に告白したところで、診断書と薬をたんまり貰うだけで終わりそうな気がするが。

 過去の私は、この国の独立戦争に生きる兵士で、未来の私は、史学科の助教授として当時の戦争を専門に研究する人間として生きている。
 おそらくはどちらかが夢なのだと思う。兵士の私が、すべて終わった未来を夢見ているのか、助教授の私が、追い求める過去の姿を夢見ているのか、それを確かめる術はないし、どちらの私も、自分が夢だったとしても別に構わないと思っている。

 ささやかな問題は、兵士の私が、助教授の私の知識によって、この戦争は敗戦で終わること、そして私が参加しているこの作戦がひどい壊滅状態で終わることを知っているということだ。それでも、ただの一兵卒の人間に、いったい何ができるというのだろう? それに、もしかしたら、夢
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