お題:冷たい真実 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:837字

代償

とても、とてもわかりやすいテーマだと思う。
自動作成された意味の無い言葉でも無ければ、素っ頓狂な設定も無い。
子供の時に書いた読書感想文のように、ですます口調で続けてしまえば誤魔化せるだろう。
そこまでの想像は安易に出来るというのに、私の指はぎこちなかった。
指先から凍っていくような感覚。
視線が定まらず、不安げに宙を彷徨う。
自分を叱咤するには時間が無さ過ぎた。

心のままに、思うままに。
それが信条であり、自分の大事な大黒柱であったと思う。
それすら忘れてしまったこの頭はどこまでポンコツなんだか。

夢を見ていた時もあった。
今は、もうその夢は夢でしかないとわかっている。
夢は夢だからいいんだ。
言い訳はいくらでも思いつく、浮かび上がる。

刻一刻とその時は迫りくる。
誰にでも平等な時間という概念、もちろん私自身も例外ではない。
時間に追われ、日々に追われることなど慣れ親しんでいるはず。
だけど、この追われ方は、やっぱり好きで、嫌い。

さぁ、そろそろ仕上げに取り掛かろう。
頭からはそういった指令が出ているのだけど、なんせオチもなければ始まってもいない。
この状況はいかがしたものか。
ただ文字を起こし、並べればそれで満足か。
心が大声をあげているが、それでも指は凍ったまま。なんなら霜まで付いている。
腕を、身体を、頭を溶かす方法を、ご教示願いたい。

何もしない時間は、何も産まない私を作り上げてしまった。
キーボードがこんなにも固く、ディスプレイがこんなにも眩しく、インターネットがこんなにも私を苛めにくるとは。
それでも、私は突き進んでいかねばならない。
訳の分からない義務感に似たものが、ずっと私を蝕んでのさばってくる。
産み出すんだ、ひねり出すんだ、素晴らしいアイデアを。
お願いだ、でないと、私の存在意義がなくなってしまう。

無宗教を謳う私が、いったい何に願いをかけたのか。
聞き入れる存在など無く、無情にも、私のクビは切って落とされた。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:冷たい真実 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:429字
痛いはずだ。寒いはずだ。鈍くなった頭はそう自身に言い聞かせるも、意思に反して体の感覚は遥か遠く、皮膚は焼けてしまったかのように熱い。どうしていこうなってしまった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:冷たい真実 制限時間:30分 読者:126 人 文字数:532字
幽霊だと思ったら枯れ尾花だった。心霊写真は映り込みか合成。ラップ音は家鳴り。世に蔓延る心霊現象なんて大抵はそんなものだ。 暗い夜道を歩いていれば不安にもなるだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
I'm fund manager ※未完
作者:匿名さん お題:打算的なカラス 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:428字
私はファンドマネージャーだ。金融街にあるヘッジファンドで働いている。世間ではハゲタカと言われているが、私は自分のことをカラスだと思っている。カラスは賢い動物で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナねね町長 お題:限りなく透明に近い嘘 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:1203字
落ちていく意識のなか、薄っすらと見えたのは笑った顔。 彼女の見たこともない表情だった。「……おはよう」 再び意識が戻った時、僕はベッドの上で彼女に見下されてた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:運命のオチ 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1206字
野村は大阪人が面白くてかっこいいと考えているらしく、大阪出身を自称していた。 実際は関東の名もなき県出身で、なるほどそんなところの出では大阪なんて土地に憧れて 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:夢路 お題:戦争と同情 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:356字
“あそこ”は地獄だった。 そう、地獄だ。 人がぼろ布のように散乱している、悪臭と汚泥に満ちた場所。 恐怖と狂乱と憤怒が爆発していて、そして全てが何の感情にもな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:夢路 お題:汚い殺し屋 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:321字
ここは廃ビルの一室。 積み重なった埃とゴミが散乱している。 全てが灰色のこの施設において、唯一色のついた、鮮やかなものがあった。 鮮血が地面を濡らしていた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐藤りーまん お題:かっこ悪いお尻 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:623字
現在:節度 品行方正、何でもない社会人過去:厳格の逆 父親が浮気性近未来:寛容の逆 彼女を束縛するようになる援助者:結合の逆 「解体」する人敵対者:公式の逆 彼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:淡い洞窟 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:395字
最近になって聞くようになった噂があった。「お前さ、海の洞窟知ってる?」 これを聞くのは何度目だろうか、と思いつつ、僕は直樹に返す。「知ってる。だけど、海に洞窟 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:草枕 駮 お題:淡い洞窟 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:698字
洞窟というのは不思議なもので、何かと冒険活劇なんかではよく舞台として取り上げられる。松明を片手に入り込み、蝙蝠の群れにギョッとしながら前に進む。モンスターと戦 〈続きを読む〉

とらしゅーの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:とらしゅー お題:冷たい真実 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:837字
とても、とてもわかりやすいテーマだと思う。自動作成された意味の無い言葉でも無ければ、素っ頓狂な設定も無い。子供の時に書いた読書感想文のように、ですます口調で続け 〈続きを読む〉