お題:冷たい真実 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:837字

代償

とても、とてもわかりやすいテーマだと思う。
自動作成された意味の無い言葉でも無ければ、素っ頓狂な設定も無い。
子供の時に書いた読書感想文のように、ですます口調で続けてしまえば誤魔化せるだろう。
そこまでの想像は安易に出来るというのに、私の指はぎこちなかった。
指先から凍っていくような感覚。
視線が定まらず、不安げに宙を彷徨う。
自分を叱咤するには時間が無さ過ぎた。

心のままに、思うままに。
それが信条であり、自分の大事な大黒柱であったと思う。
それすら忘れてしまったこの頭はどこまでポンコツなんだか。

夢を見ていた時もあった。
今は、もうその夢は夢でしかないとわかっている。
夢は夢だからいいんだ。
言い訳はいくらでも思いつく、浮かび上がる。

刻一刻とその時は迫りくる。
誰にでも平等な時間という概念、もちろん私自身も例外ではない。
時間に追われ、日々に追われることなど慣れ親しんでいるはず。
だけど、この追われ方は、やっぱり好きで、嫌い。

さぁ、そろそろ仕上げに取り掛かろう。
頭からはそういった指令が出ているのだけど、なんせオチもなければ始まってもいない。
この状況はいかがしたものか。
ただ文字を起こし、並べればそれで満足か。
心が大声をあげているが、それでも指は凍ったまま。なんなら霜まで付いている。
腕を、身体を、頭を溶かす方法を、ご教示願いたい。

何もしない時間は、何も産まない私を作り上げてしまった。
キーボードがこんなにも固く、ディスプレイがこんなにも眩しく、インターネットがこんなにも私を苛めにくるとは。
それでも、私は突き進んでいかねばならない。
訳の分からない義務感に似たものが、ずっと私を蝕んでのさばってくる。
産み出すんだ、ひねり出すんだ、素晴らしいアイデアを。
お願いだ、でないと、私の存在意義がなくなってしまう。

無宗教を謳う私が、いったい何に願いをかけたのか。
聞き入れる存在など無く、無情にも、私のクビは切って落とされた。
作者にコメント

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