お題:消えた酒 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:689字

酒だけ
「「ウーロン茶で」」
 注文の声が隣とかぶった。酒を出す店にきているというのに、開口一番がそれ。おまけにカウンターにひとりでかけているところまで一緒。気まずさを覚えたのはこちらだけのようで、その女はお品書きをすみずみまで読んで、頼む料理を熟考している。
「お腹すいたな~」
 しかもひとりごとまで聞こえてきた。ぐーぐー腹の虫も鳴っている。女性にとっては他人に聞かれると恥ずかしいたぐいのものではないかと思うが、気にした様子はない。自分の部屋にいるつもりなのかもしれない。たまに見かける、外食にくると必要以上にくつろいでしまう客だ。
 酔っ払ったら質が悪そうだ。絡まれたらどうしよう、と心配する。けど、ウーロン茶を注文するのを聞いたし大丈夫だろう。
 そんなうちに、カウンター奥からグラスが運ばれてきて置かれる。
「これ、ウーロンハイですよう」
 オーダーのミスがあったようだ。例の腹を空かした女は飲むまえに気づいたようで、店員に言っている。あぶないところだった。このくつろぎまくりの客が飲めもしない酒で悪酔いして絡まれる未来が訪れるところだった。
 酒を飲まないのは好き嫌いとか体質的に駄目とかでなく、単に酔うからだ。体調を崩すのもあるけど。我を失ってわけもわからずに楽しくなったり、悲しくなったりするのが嫌だから。それを求めて飲む人もいるのだろうけど、生憎なにもかも忘れたいと思うほどひどい日常は送ってない。
「ひどいですよねえ?」
 酒も呑んでないのに絡まれた。近くににじり寄ってきた相手の顔はすでに赤らんでいる。何軒目の居酒屋だったのか、酔い覚まし、という言葉が浮かんだ。
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