お題:漆黒の闇に包まれし女祭り! 制限時間:15分 読者:56 人 文字数:1008字

人形演劇
かつて、この街には住民の間で有名な人がいました

街の一角で布屋を営む彼の本業

それは、人形を作ることでした

その者の腕はとても精工でした

彼が作る人形たちは、まるで生きているのではと疑わんばかりの美しさを保っていたからです

けれど、彼は一つの人形を作る毎に、こう呟いていたのです

「まだ足りない」

「これでは、ただの置き物だ」



そう、彼は生きた人形を目指していました

何をバカなことをと、思うかもしれませんが、当時、物に神が宿るというのは、あながち嘘ではなかったからです

とはいえ、その噂を信じていた人が少なかったのもまた事実ではありますが

ともかく、彼は生きた人形を作る為に、毎晩切磋琢磨しながら製作に励みました

そうして、はじめて自らの思う力作にたどり着きました

金髪が綺麗に靡く人形

今は瞳を瞑っているが、目を開けたらきっと動き出すと、そう思うほどの出来栄えでした

彼は、自らの出来に自信がついたのか、新たな人形の製作に手をかけました

「前は金色だったから、今度は白色にしよう」

そうして、二つ目の人形が完成しました

それをみて、彼は思わず涙を流しました

「私はかつてこれほどまでに綺麗な人形を見たことがあるだろうか」



彼は、前よりもより人形作りに励むようになりました

本業の経営が破綻することもなく、一定の軌道にのった彼は、無事に歳を重ねていきます

人形を作ることにしか興味の無かった彼は、40、50と歳を取り、婚期を逃し、やがて老人になりました

その頃には、既に部屋には埋め尽くされるほどの人形がありました

その中でも一際目を惹くのは、漆黒の色に身をまとった、黒い少女の人形でした

見るものすべてを虜にするそれは、まるで呪いのよう…

そう思えるほどに美しかったからです

さて、彼はこうして幾つもの人形を作ってから、亡くなりました

そう、彼は結局、人形が目を開けるところを一度も見ることはなかったのです

しかし、彼が死んでから、新たな噂が広まりはじめました

あの家では、毎晩物音がする

それも、一つではなく、多くの者達が騒ぎ立てるような…

そう、彼が作った人形達は、彼の最後を綺麗に飾るように、動き始めたのです…

虚しくも、彼がその光景を生きたまま見ることはありませんでしたが、それでも彼の意思はそこにあると…そう思います



作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:漆黒の闇に包まれし女祭り! 制限時間:30分 読者:125 人 文字数:1068字
心が折れた場合の対処法。 一。頭を殴る。 二、過去を振り返らない。 三、相手に復習方法を考える。 と、こんなかんじでどんなもんだい。 私はいま、学校のいじめと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:1000年小説家 お題:漆黒の闇に包まれし女祭り! 制限時間:30分 読者:326 人 文字数:4817字
すべての哀れな童貞諸兄のための救済企画――通称、“女祭り”――という物を、ご存じだろうか。 全国から厳しい条件によって選抜された5人のエリート童貞の願望を、す 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
I'm fund manager ※未完
作者:匿名さん お題:打算的なカラス 制限時間:15分 読者:0 人 文字数:428字
私はファンドマネージャーだ。金融街にあるヘッジファンドで働いている。世間ではハゲタカと言われているが、私は自分のことをカラスだと思っている。カラスは賢い動物で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ハナねね町長 お題:限りなく透明に近い嘘 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:1203字
落ちていく意識のなか、薄っすらと見えたのは笑った顔。 彼女の見たこともない表情だった。「……おはよう」 再び意識が戻った時、僕はベッドの上で彼女に見下されてた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:運命のオチ 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1206字
野村は大阪人が面白くてかっこいいと考えているらしく、大阪出身を自称していた。 実際は関東の名もなき県出身で、なるほどそんなところの出では大阪なんて土地に憧れて 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:夢路 お題:戦争と同情 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:356字
“あそこ”は地獄だった。 そう、地獄だ。 人がぼろ布のように散乱している、悪臭と汚泥に満ちた場所。 恐怖と狂乱と憤怒が爆発していて、そして全てが何の感情にもな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:夢路 お題:汚い殺し屋 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:321字
ここは廃ビルの一室。 積み重なった埃とゴミが散乱している。 全てが灰色のこの施設において、唯一色のついた、鮮やかなものがあった。 鮮血が地面を濡らしていた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐藤りーまん お題:かっこ悪いお尻 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:623字
現在:節度 品行方正、何でもない社会人過去:厳格の逆 父親が浮気性近未来:寛容の逆 彼女を束縛するようになる援助者:結合の逆 「解体」する人敵対者:公式の逆 彼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:淡い洞窟 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:395字
最近になって聞くようになった噂があった。「お前さ、海の洞窟知ってる?」 これを聞くのは何度目だろうか、と思いつつ、僕は直樹に返す。「知ってる。だけど、海に洞窟 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:草枕 駮 お題:淡い洞窟 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:698字
洞窟というのは不思議なもので、何かと冒険活劇なんかではよく舞台として取り上げられる。松明を片手に入り込み、蝙蝠の群れにギョッとしながら前に進む。モンスターと戦 〈続きを読む〉

欄橋/イトカの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:アブノーマルな映画 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:687字
常闇に紛れる黒い影。それは人か妖か。"機械"の身体である私には、どちらも"同じ"存在とみなせるが、はたしてこの刃が獲物に通用するかどうか。逆手に刀を構え、瞳を閉 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:苦い土地 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:1139字
世界はあれから変わってしまったあんなにもきれいだった光景が今ではもう灰色でそんな世界で、僕はただ一人生きる胸に残るは小さな想い熱も感じなくなってしまったこの身体 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:少年の修道女 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:748字
机に置かれた一枚の手紙それを手に取り、中を読む予感はしていたいつかこの時が来るんじゃないかってそれでも、信じたくない不意に涙が溢れる僕にとって、あの人はぬくもり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:臆病な月 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:646字
夜空に浮かぶ月を眺めて私は思うどうして月は輝いているのかそう、あの暗い空間の中で光を失わないのか実際に月は輝いているわけではない大人になればだれでも知っているこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:元気な潮風 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:271字
進め進め帆を揺らして歌え歌え凪と踊れるように大海原は敵じゃない荒れた波は怒りの印僕らが歌えば友達さ進め進め大声で歌え歌え前進で船の上に音が宿るそれは、渡航者達の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:オレだよオレ、医者 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:879字
くらい廊下の一角で赤いランプが煌めく目の前には白い素肌の少女が横たわるとても浅いが息はあるだが、あまりよろしくない状態だ辛うじて機能する身体が、少女の魂をこの世 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:暑いこだわり 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:572字
高機動の機体が対峙する片方は全身を黒に染めた機体もう片方…俺の乗っている機体は全身が赤くなっているあの機体に乗っているのは、俺のライバルでもあり、親友でもあった 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:闇の話 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:1014字
深々と降り注ぐ雪が街の光に反射して輝く両手を口の前にあてて息を吐く「はーーっ…」白い吐息が少しだけ滞留して消える今日は12月24日そう、クリスマスイブだなのに… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:人妻の道 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:833字
人それはこの世界に住まう者知的生命体とも呼べるその実態は、物質で構成されている器に入っている存在に過ぎない人の形は時代と共に形を変えてきたある時は船を漕いで世界 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:欄橋/イトカ お題:私が愛した愛 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:960字
この世界には秘密があるある時にはアカシックレコードとして顕現することもあればアストラル体の存在が現れる可能性もあるしかし、そんなことはとても些細な事象だ何故なら 〈続きを読む〉