お題:漆黒の闇に包まれし女祭り! 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:1008字

人形演劇
かつて、この街には住民の間で有名な人がいました

街の一角で布屋を営む彼の本業

それは、人形を作ることでした

その者の腕はとても精工でした

彼が作る人形たちは、まるで生きているのではと疑わんばかりの美しさを保っていたからです

けれど、彼は一つの人形を作る毎に、こう呟いていたのです

「まだ足りない」

「これでは、ただの置き物だ」



そう、彼は生きた人形を目指していました

何をバカなことをと、思うかもしれませんが、当時、物に神が宿るというのは、あながち嘘ではなかったからです

とはいえ、その噂を信じていた人が少なかったのもまた事実ではありますが

ともかく、彼は生きた人形を作る為に、毎晩切磋琢磨しながら製作に励みました

そうして、はじめて自らの思う力作にたどり着きました

金髪が綺麗に靡く人形

今は瞳を瞑っているが、目を開けたらきっと動き出すと、そう思うほどの出来栄えでした

彼は、自らの出来に自信がついたのか、新たな人形の製作に手をかけました

「前は金色だったから、今度は白色にしよう」

そうして、二つ目の人形が完成しました

それをみて、彼は思わず涙を流しました

「私はかつてこれほどまでに綺麗な人形を見たことがあるだろうか」



彼は、前よりもより人形作りに励むようになりました

本業の経営が破綻することもなく、一定の軌道にのった彼は、無事に歳を重ねていきます

人形を作ることにしか興味の無かった彼は、40、50と歳を取り、婚期を逃し、やがて老人になりました

その頃には、既に部屋には埋め尽くされるほどの人形がありました

その中でも一際目を惹くのは、漆黒の色に身をまとった、黒い少女の人形でした

見るものすべてを虜にするそれは、まるで呪いのよう…

そう思えるほどに美しかったからです

さて、彼はこうして幾つもの人形を作ってから、亡くなりました

そう、彼は結局、人形が目を開けるところを一度も見ることはなかったのです

しかし、彼が死んでから、新たな噂が広まりはじめました

あの家では、毎晩物音がする

それも、一つではなく、多くの者達が騒ぎ立てるような…

そう、彼が作った人形達は、彼の最後を綺麗に飾るように、動き始めたのです…

虚しくも、彼がその光景を生きたまま見ることはありませんでしたが、それでも彼の意思はそこにあると…そう思います



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