お題:俺は映画館 制限時間:30分 読者:63 人 文字数:623字

夢を覚ましたのは、彼の夢だった
結局俺は何やっているんだろう。

俺は今、自分が働く映画館の事務所で経営者として座っている。毎日、PCの前で同じ事務作業をこなす日々を繰り返していた。映画が好きで、いつかは映画監督になりたいと思っていた。小学生からの夢。気がつけば36歳で、映画館で仕事をしてた。小学生の時、同級生の柏木仁志は、今、この映画館で上映されている作品を手がけた。大ヒットしているわけではないが、赤字にはならないだろう。彼のデビュー作だ。この作品が、この映画館で上映されると聞いた時、一気に忘れかけていた記憶が蘇ってきた。一緒に、同じ夢を見て、いつかは、日本のジョージルーカスとスティーブンスピルバーグのようになろうと語りあった。高校へ進学するのと同時に疎遠になった。

彼は夢を追いかけていたのだ。
その間、俺は逃げていた。高校の時は、映画をたくさん見た。小説もたくさん読んだ。大学に入って、映画館でバイトをし、何となく、好きなことに近い事をしていると、そう思って・・・ 勝手に僕は、良しとしてしまった。現実、そういうものだろうと、自分を肯定していた。映画を作る何んて、別の世界の、才能溢れた特別な人間が作るものと感じていた。柏木は、そういう人間だった。

馬鹿だ、俺は。

柏木仁志は、普通の人だ。選ばれた特別の人間ではない。自分に正直な柏木は信じるがまま進み、俺は何もしなかった。あんなに身近な奴が、夢叶えられちゃうとな。
可能なんだな、夢はいつか叶うものだと。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:彼とむきだし 制限時間:30分 読者:2 人 文字数:1465字
私は、どうしてこうも弱いのだろうか。どこかの暗がりに、私はさまよい歩く。光も何もないのに、足取りだけはしっかりとしている。どのようにしてここまで来たか、もうそれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すらいむですよろしくおねがいします お題:名付けるならばそれは囚人 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:1239字
薬袋博は大陸浪人である。帝都を中心に中国と日本とを行き来し、向こうの珍しい品物を買い付けて本国で売る商売人、のはずなのだが、常に金欠に陥っている。まず中国への渡 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:捨てられたパラダイス 制限時間:30分 読者:2 人 文字数:688字
私は長年使い古したカメラを持ってその地を訪ねた。今となっては廃墟となった家屋が奥行きをもって並んでいた。23年前、自由と平和を求めた薬物中毒者達は所有者不明とな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:季森 お題:初めての民話 制限時間:30分 読者:5 人 文字数:1560字
地平線のもっともっと向こうの方まで続いている、群青の空。ちぎられた雲が所々に散らばっている。地平線にはまばらに大きな山脈が小さくその身を覗かせていた。延々と続 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すらいむですよろしくおねがいします お題:苦し紛れの傑作 制限時間:30分 読者:14 人 文字数:1427字
「ああ、どうしましょう」ずらっと並んだ食材の前で執事である柏木稔は悩んでいた。その理由は先ほど主人から申しつけられたらお願い、いや、滅多にない彼の我儘に起因する 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
※未完
作者:匿名さん お題:腐った山 制限時間:30分 読者:5 人 文字数:774字
あの子が子供のころ、積み木遊びが好きだったのをよく覚えている。それも円柱に三角を載せて満足するようなものではなく、ちょっと驚くような積み方をするのだ。誕生日、ク 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:いしゅと お題:トカゲのエリート 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:1601字
トカゲと呼ばれる忍者がいる。周囲と同化し、存在感を消し、その存在を何者にも悟られることがない。対峙した標的はトカゲが目の前にいることにも気づかないまま、いつの間 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
授賞叙事詩 ※未完
作者:ゼリーマン(60kb) お題:猫の作家デビュー 制限時間:30分 読者:35 人 文字数:1526字
ふと、西野高之は文学賞を受賞し、作家としての己の実力を試してみたくなった。 作家、である。足立区が生んだ真理人、宇宙の摂理をその手に掴み、哲学の深奥を究めた西 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:冬琶 蜻蛉 お題:突然の夫 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:1017字
悪魔が嫁を娶るなんて、聞いたことがなかった。フレインは、とある田舎町から出てきた靴売りの青年だ。帝都の活気ある大通りに面した、伝統を受け継ぐ靴屋の見習い。今日も 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すらいむですよろしくおねがいします お題:突然の夫 制限時間:30分 読者:14 人 文字数:1421字
穏やかな昼下がりの午後、御巫探偵事務所のベルが鳴った。どうぞ、とこの事務所の主人ー御巫八雲が呼びかけると、恐る恐るといった様子で1人の若い女性が入ってきた。「よ 〈続きを読む〉

しょういちの即興 小説


ユーザーアイコン
何となくね ※未完
作者:しょういち お題:気高い娼婦 制限時間:15分 読者:61 人 文字数:311字
「お代? いらないよ今夜は」うつ伏せに、自分の腕を枕にして、加代はそう言い返した。彼女に背を向けてベットに座って、財布に目を向けた時、そう言い返してきた。通常、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:俺は映画館 制限時間:30分 読者:63 人 文字数:623字
結局俺は何やっているんだろう。俺は今、自分が働く映画館の事務所で経営者として座っている。毎日、PCの前で同じ事務作業をこなす日々を繰り返していた。映画が好きで、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:商業的なプロポーズ 制限時間:30分 読者:87 人 文字数:483字
山崎圭太二十六歳。金曜日の夜、一時間余り残業し、足早にオフィスを後にした。佐藤みどり24歳。同じ金曜日の夜、定時きっかりに、オフィスを出た。圭太は、小走りしなが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:しょういち お題:黄金のむきだし 制限時間:30分 読者:87 人 文字数:626字
深夜遅くに振り続ける豪雨。二、三百人くらいの歩兵部隊は、士気消失したまま歩いていた。砂利のこすりあう音、ぬかった泥のにゅるりとした音、その対照的な音を無意味に眺 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:マンネリな彼 制限時間:30分 読者:64 人 文字数:685字
春の夕日を眺めている。戦ってきたフィールドを一望できる小さな丘の上に、パートナーの彼と腰を下ろしていた。パーティーを組んでいた仲間たちは、数分前に解散し、村に向 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:青いバラン 制限時間:30分 読者:78 人 文字数:679字
「いただきます」と心の中でささやいてからどれくらい時間がたっただろう。高校のお昼、いつものようにお弁当蓋を両手で開けて、ゆっくりと海苔がついていかないように、そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:どす黒い食卓 制限時間:30分 読者:85 人 文字数:650字
年末、三年ぶりに実家へ帰る。それまでは、年末だけは、必ず実家へ帰っていた。ただなんとなく、めんどくさいという理由で、遠のいていた。30歳後半になって、実家へ帰れ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:勇敢な冤罪 制限時間:30分 読者:60 人 文字数:428字
新宿駅から幾分離れた居酒屋で、晃は、巡年ぶりに合う知也と飲んでいた。偶然、朝の通勤途中電車の中でばったりとあった。電車の扉が閉じるとき、強引に飛び込んできたのが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
空想の帝国 ※未完
作者:しょういち お題:帝王の恋人 制限時間:30分 読者:82 人 文字数:231字
二年前、この国、アルミシリア大国の王子が結婚し帝王の世継ぎとして式典が行われた。長い間、争いはなく、国王はただ民の間では象徴でしかない。女子供の間では、物語とし 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しょういち お題:帝王のぐりぐり 制限時間:30分 読者:63 人 文字数:586字
春。東京都内のとある居酒屋。今夜は、会社の仲間と打ち上げで来ていた。深夜遅くでも店はにぎわっていた。扉を開いて、全体を見下ろした。地面を掘り下げたような店内は、 〈続きを読む〉