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お題:有名な消費者金融 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:800字

その貸しは一生に渡って続く ※未完

 名前を粗末に扱ってはいけない、というのは、魔法使いでなくても知っているこの世界の常識である。
 名は当人を表す最も短い呪いであり、その名を貶めたり変質させてしまうことは、名の持ち主に避けられない影響を齎す。だから多くの魔法使いは自らの本名を隠すし、魔法使いではない市井の人々もまた名の重要性は理解していて、隠したり、あるいは逆に次々と名を変えたりと、それなりの自衛を講じて居た。自らの名を守ることは、自らの家と同じくらい大切なことだった。
 逆に言えば、一度、誰かの名を手に入れたなら、その利用価値は絶大なものであった。
 そして、その価値に目をつけない人間が現れないはずもなかった。

 名を莫大な金で買ってくれる店が現れた、との噂が、戦後の荒れ果てた街を野火のように駆け巡った。
 生活に窮していない大半の人々は、そんな噂を鼻で笑い、名を売るなんて、臓器を売るよりもっと恐ろしいことだ、そんなことするなら死んだ方がましだ、誰がそんな店を使うのやら、と話しあった。
 しかし、困窮した人々、たとえば娼館の下級娼婦、煙突掃除、道で眠る孤児たちにとっては、それは恩寵として響いた。彼らに、自らの名の重大性を教えてくれる者は誰もいなかったので、彼らは服を売るような気軽さで、店に趣き、自らの名を売った。手続きは驚くほど簡単で、一枚の紙切れに魔法のインクで名前を書くだけで済んだ。字を書けない者には、店の者が代筆をし、その形を書き写させた(筆記だけはどうしても本人がしなくてはいけないらしい)。

 名を売ったところで、彼らの身には何も起こらなかった。
 おおよそ10年分の給金にあたる金が、彼らの名の代金として支払われた。もう寒い部屋で眠らなくても良い、空腹を耐え凌がなくても良い。彼らは名を失ったが、そのことをちっとも悲しまなかった。適当な新しい名を自ら名乗り、周囲にもそう呼ばせた。けれどその名は
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