ユーザーアイコン
お題:どこかの屍 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:590字

閉ざされたシュレディンガーの外へ ※未完
「死んだ後、誰にも見つけてもらえない人、昔からたくさん居ましてね」

 死後三日目、および地縛霊になってから三日目、自分の死体がそろそろ悪臭を放ちはじめた頃、施錠されたままのアパートのドアを難なく潜り抜けて、その人物はやってきた。『添乗員』という文字がでかでかと記された巫山戯た襷を掛けている。彼、あるいは彼女(よくわからない)は、立ち尽くしている私の肩をぽんぽんと叩き、次いで背、腰、左右の太ももと、励ますように触れて言った。
「もう歩けますよ。おつかれさまです」
 そう言われたとたん、足に感覚が戻った。死んでから感覚なんて言うのもおかしな話だが、とにかく私の両足はもう私の思うとおりに動いた。床からそっと両足を離し、何度か足踏みをする。音は鳴らないが、すくなくとも床に触れている感じはする。幽霊は足がないなんて迷信だったんだな、と他人事のようにしみじみ思う。
 落ち着いたところで誰何した。その謎めいた『添乗員』は、改めて、左肩から右の腰へと、巫山戯た襷を撫でてみせながら仰々しく礼をした。
「看取られることのなかったすべての人に、旅券を届ける仕事をしております。ついでにあなたの体の番人も。さあどうぞ」
 そう言って、添乗員は美しい革張りの手帳を差し出した。
「有効期限は無期。あなたの気が済むまで、この星を、どこへでも旅することができる旅券です。あなたが旅をしている間
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:表田 圭 お題:どこかの屍 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:509字
綺麗な花が咲いていた。花の名前は知らない。黄色の、小さな花だ。庭の隅にひっそりと、けれど誰かに気兼ねをしている風でもない。「水をあげた方がいいのかしら」「さあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茶@出涸らし お題:どこかの屍 制限時間:4時間 読者:192 人 文字数:3143字
大量に積み重ねられたソレを見て白髪に水色のメッシュが入った清掃員姿の男は深く溜息をついた。「さすがにこれは俺一人じゃ無理じゃないかな…」人の姿をしていたらしいは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
※未完
作者:かたぎり お題:どこかの屍 必須要素:囚人 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:298字
バッシュバタッ暗闇の中に羽バッシュ、バッシュおお、清次郎強いな暗闇のはるか上で眺めるのは研究者平木ここは遺伝アルゴリズムの地下実験室だバッシュ、バッ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:風呂助 お題:どこかの屍 必須要素:コショウ 制限時間:4時間 読者:196 人 文字数:5361字
現代のように公共事業が、社会基盤として順調に整う前は自分達の住む共同体の環境は、自らで行うのが普通だったがその表と裏があるのは、いつだって同じなんだよ。 ここ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:くちなし お題:汚れた船 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:484字
たぬきは泥舟に乗って、沈んでしまった。昔話であったっけ。うろ覚えだけれど、結構残酷だった気がする。そうそう、カチカチ山だ。あれ、いまじゃあソフトに話を変えられて 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:beta0874 お題:それいけお茶 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:922字
一面の茶畑が広がるのどかな田舎にも、トラブルはつきものだ。ひとりの男の子の泣き声が抜けるような青空に響いている。しかし、その涙の理由を訪ねてくれる大人はすぐ周囲 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@バブみ道団長 お題:見憶えのあるゴリラ 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1241字
駅前で人が吹き飛ぶのが見えた。「あぁ……」 いつかはやるんじゃないかと思って人物がその中心で暴れてた。 うん、彼女だ。「どうしてこんなことに?」「あ、あぁ、な 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:ロシア式の月 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:438字
「СПАСИБО」スパーシバと、相手にお礼をいうと相手の方も話せて嬉しかったとお礼を言って会釈をして去っていった。正直、疲れた。仕事関連で海外の人と話す事はよく 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:むにゃむにゃ@即興 お題:最後の百合 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:472字
また一本百合が枯れた。花瓶に残されたのは一本だけになってしまった。匂いを嗅ごうと花瓶を近づけようとするも、手がうまく動かない。仕方なく体を寄せるだけにした。窓か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐藤りーまん お題:強い年賀状 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:517字
破けた紙が指に張り付いた。強い雨が体を打ちつける。「どうしてこんなことになったんだろうな」後ろから声がした。父親だ。母親に怒鳴りつける威勢の良さはもうない。事態 〈続きを読む〉

の即興 小説


ユーザーアイコン
作者: お題:戦争と絶望 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:861字
どうも私は気が狂っているらしく、ふたつの時間を交互に生きている。 現在と100年後の世界、と言うべきか、100年前と現在の世界、と呼ぶべきか、いまいち判断が付 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:静かな傘 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:782字
不思議ではあるけれど、何の役にも立たない代物、というのが世の中にはそこそこ存在する。 祖父から譲り受けたこの傘も、そんな代物のひとつだった。祖父もまた知り合い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:傷だらけの笑い声 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:855字
祖父はレコードが好きだった。 若い頃は歌うことも好きで、ほんのひととき、歌手として活躍したこともあったらしい。祖父の家には、その頃の古いレコードが何十枚も眠っ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:有名な消費者金融 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:800字
名前を粗末に扱ってはいけない、というのは、魔法使いでなくても知っているこの世界の常識である。 名は当人を表す最も短い呪いであり、その名を貶めたり変質させてしま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:人妻の脱毛 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:654字
もともと、自分の容姿に対して卑屈気味なところがある人だ、とは解っていた。 私から見れば輝かしいほどの服装センスも、ドレッサーを埋め尽くす化粧道具も、まめまめし 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:ロシア式の帰り道 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:612字
階段があなたを憎んでいる。気をつけて。 もともと迷信深い方では無い。 占いなど、ほんの気まぐれ、暇つぶし、好奇心で頼んだだけ。だから、怪しげな占い師が告げたそ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:どこかの屍 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:590字
「死んだ後、誰にも見つけてもらえない人、昔からたくさん居ましてね」 死後三日目、および地縛霊になってから三日目、自分の死体がそろそろ悪臭を放ちはじめた頃、施錠さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:気持ちいいサラリーマン 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:341字
不快でないよう、けれど退屈でもないように、注意深く調律された真夏の太陽模倣光。海からの風がさわさわと、立ち並ぶ椰子の木の葉を揺らし、輪郭の強い光と影がサンダル 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:昨日食べた錬金術 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:597字
だって、人の体内は土壌と似ていると思わないか。 それは「なぜ研究室の共同資産であるホムンクルスを食べてしまったのか」という詰問に対する答えとしてはいささか常軌 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:ぐちゃぐちゃの火事 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:773字
タコ足配線って、あるだろ。 二時間以上に及ぶクレーム対応を追え、苦味を帯びた沈黙と疲労に押し包まれたレジカウンターの内側で、先輩は唐突にそう言った。 レジに立 〈続きを読む〉