お題:僕とアルパカ 必須要素: 制限時間:15分 読者:128 人 文字数:763字

アルパ刀
 アルパカと出会ったのは太陽がとても近いある夏のことだった。僕は川辺で小便をしていた。すると川の水と混ざった小便が急に意思を持ち出して、ひとつの液体の塊になった。そしてご丁寧に目と口に見立てて窪みを作って、こう僕に言うのだ。
「おれはおまえの小便だ」と。
「そんなことは知っているよ」
「おれを生み出した礼にひとつ願いを叶えてやろう」
「それは知らなかったよ」
 僕は願い事を考えた。いざ言われてみると、意外と願い事ってないな、と僕は思った。なんでも、というのがネックなのだ(なんでもとは言われていないが、僕はすっかりなんでも叶えてもらえる気持ちでいたのだ)。夏休みの宿題は悩みの種ではあるけれど、他の何かを捨て置いて叶えてもらうものでもないし、欲しいものは自分で作ればよかった。虫籠は作れなかったけど。
「さっさと言ってみろ」
「じゃあ、なにか、すごいことが起きてほしいな」
 咄嗟に何も出てこなくて、でも黙っているのももったいないと思ったから、僕は正直にそういったのだった。なんとも相手任せの願い事だ。でも流れ星のときなんかはこれくらいのほうが言いやすくて効率が良いだろうと思った。
「そうか。そうか。わかった」
 小便混じりの塊は何を納得したのか、体全体を揺らして頷いた。
 そしてUFOがやってきた。テレビで見たような円盤だった。空に浮かんだままの円盤から、光の幕が下りてきて、大きな影が川の中に現れる。
 それは四足歩行のアルパカだった。四足歩行といっても、普通のアルパカと一緒というわけではなくて、足が四本、手が二本あって、人間みたいに立ち上がっているのだった。そして腰には刀を差していた。テレビで見たような刀だった。
「やあ」
 とアルパカが言った。
「やあ」
 と僕は返事した。とても太陽が近い夏のことだった。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:夏空蝉丸 お題:危ないアルパカ 必須要素: 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:702字
銀次は刀を持って逃亡していた。容疑は傷害罪。だが、最終的には殺人罪で起訴されることになる。もし、裁判を受ければ良くて無期懲役、悪ければ死刑になる。その事がわか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:しろのさくら お題:きちんとした大学 必須要素: 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:510字
日本の大学生は勉強しない。現代ではよくそう言われているが、ある大学、仮にA大学とするは違った。受けなければならない講義も課題も普通の大学より遙かに多かった。そん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:今日のゲストはクリスマス 必須要素: 制限時間:15分 読者:86 人 文字数:1034字
「鬱だわ・・・」クリスマスさんはそういうと、深いため息をつきました。いったいどうしたというのでしょう?「クリスマスさんがこの時期そんなに沈痛な面持ちではいかんの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:どす黒い英霊 必須要素: 制限時間:15分 読者:68 人 文字数:938字
母が雑誌を片手にやってきて、「これ見てこれ」という。なんだ?どうした憑りつかれたのか?と若干、不安になって見てみると、この地区最大級の古物屋という記事で、写真が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:あきれた許し 必須要素: 制限時間:15分 読者:62 人 文字数:579字
(#8) 首筋に青白く煌めく切っ先。 微動だにできぬ緊張感が若い侍にのしかかっていた。 視線を移動させるだけでも殺られる――自分が死線の淵にあることを認識してい 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:純白のサーブ 必須要素: 制限時間:15分 読者:70 人 文字数:1133字
サーブとか出てきて、うっ、ってなって止まった。サーブって何だろうってなって煙草とかに手が伸びそうになったが、すんでのところでその手も止めた。危ない危ない。サーブ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
灰色の探偵 ※未完
作者:匿名さん お題:灰色の探偵 必須要素: 制限時間:15分 読者:82 人 文字数:495字
足の筋が痛んだ。伸びもしないスーツで動き回ったからだ。こんな使い方では長くは持たないな、と思いながら膝をさする。わずかに生地が薄くなっていた。高く飛び上がり右脚 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Ammo_June お題:謎の儀式 必須要素: 制限時間:15分 読者:121 人 文字数:1101字
ご公儀の命は絶対。そうやって老若男女問わず、謀反の疑いありとみなされた民草を捕らえ、切って捨て、そうやって一所懸命に努めてきた。とはいえ、このような場合はどう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:和委志千雅 お題:どこかの嵐 必須要素: 制限時間:15分 読者:179 人 文字数:936字
「来ました!すごいです。すごい風です。これが現在猛威を振るっているフューリーです」ようつべで動画をあさっていたら、いつのだか分らんが、アメちゃんのハリケーンかな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:やわらかい少数派 必須要素: 制限時間:15分 読者:123 人 文字数:444字
「ここに飾ってる刀、素敵ですね」 さびれた街にひっそりとたたずむ美術館に、女のつぶやきがひびく。「この刀にはある伝説が残っています」「伝説ですか」 退屈まぎれに 〈続きを読む〉

小伏史央の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:ちっちゃな任務 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:882字
とろっとーとーとー。とろっとーとーとー。 とろっとーとーとー。とろっとーとーとー。 これは意味のないオノマトペ。しかし意味のないオノマトペが必要であった私にと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:私の水 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:1647字
どこに行っても水と一緒だった。水は相棒だった。水がないと生きてはいけなかった。というのも私の体の60パーセントは水でできているのだ。私の体の半分以上は、私では 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:素人の団欒 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:733字
「そうだ、家族の団欒をしよう」 と部長が言った。部長はそういうよくわからないことを思いついては、すぐに実行に移す人だった。「家族の団欒? 部活でですか」「うん。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:かっこいい夫 必須要素:悲劇 制限時間:15分 読者:32 人 文字数:630字
ネコノミ夫婦は例によってノミの夫婦だった。妻のほうが体が大きく、ジャンプ力も高く、働き者だった。夫であるネコノミは(後略) 何か悲劇があった。それは相当な悲劇 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:フニャフニャの王子 制限時間:15分 読者:40 人 文字数:1099字
「王になんてなってたまるものか!」 第一王子はそう言って王室を後にした。玉座に残された現王は溜息をつく。 その場に控えていた第二王子と第三王子は慌てて第一王子の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:日本動機 必須要素:フランス 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:689字
広い道路を日本動機が前進していく。その様子を住民が旗を振りながら熱心に眺めていた。今日は開戦パレードだ。 日本動機と銘打ってはいるが、あれはフランス製らしい。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:斬新なダンジョン 制限時間:15分 読者:36 人 文字数:829字
魔王城は高い頂の上に位置している。そびえる山はその内部を洞窟が通っており、その洞窟を勇者たちが通れないように装飾するのがこのわたくし、ガーゴイルエンデルフンボ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:生かされた狐 必須要素:自動車保険 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:827字
「いやはや旦那! その絵に目を止めるたぁ、さすがお目が高い! 何を隠そうこの絵はかの高名な伊藤拾五右衛門の原版絵。世に出回っている絵はどいつもこいつもこの絵の複 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:せつない夏休み 必須要素:ハロウィン 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:563字
魔法使いさんと夏祭りに来た。ベランダの窓を開けて花火の音だけ聴いていたら、またぞやいつものように箒に乗って表れて、ぼくを引きずり出したんだった。「これ食べたか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:小伏史央 お題:オチは人体 必須要素:小説 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:804字
昔、そういう小説を読んだなー。 ひとり、そう呟いた。実際に声に出たのか、それとも頭の中だけで話したのか、自分でもよくわからない。 廃墟のなかは静まり返っていた 〈続きを読む〉