お題:恐ろしい町 必須要素:難解な設定 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:632字
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恐ろしい町
鳥の人は言った。
「この町を出なさい」
私はその言葉を聞いて、それしか道はないことを思い知った。
納得づくで針を手に取る。慌てないように穴の位置を確認する。
私は針を穴に突き刺すと、最後の呼吸を飲み込んで、鳥の人に笑顔を向けた。
最後くらい笑顔で立ち去るべきだと思っていたからだ。
鳥の人は一つ頷くと踵を返して南東の方角へ消えて行った。

針から穴へと熱い波動が注がれていき、私は気を失った。


次に目覚めた時そこは杜だった。
古い木の匂いと土の匂いでむせ返る。鳥の人に言われたように、先の町の空気は私にとってはケガレが強すぎたようだ。こんな浅い杜の空気だけでむせてしまうほどには、ケガレに慣れてしまっていたのだなと改めて納得する。鳥の人の意見は正しかった。


以前は土地土地は均されていたという。今では想像のつかないことだが、針も穴も転移の技術もなく、ケガレは均され、人々は怯えたり威嚇しあったりせずに暮らしていたのだという。
そんなわけあるか、と私は思う。
ケガレが無いからといって人々が威嚇し合わなくなるとは私には到底考えられない。
ケガレの有無に関わらず、人は怯え威嚇し狩るものだと私は思う。
これを今は危険思想といい、私は常に逃げている。
ケガレの多い土地では特に危険思想と告発され、当局に知れればまず自由は無くなるだろう。

恐ろしいのは土地なのか人なのか当局なのか。それとも私が恐ろしいのか。
誰にも決定できないということだけが明確になっている。
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