お題:悲観的な絵描き 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:323字
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寂寥フィルター
 何かこの風景画に足りないと感じた。一枚だけではなく、この作者の作品はすべてそうだ。なんというか……寒色が多い。暖かい色ばかりの紅葉でも、なぜか寒い印象を受ける。
「館長、この画家の作品が寒色ばかりなのってどうしてですか」
「ああそれ? それはねえ」
 館長曰く、その画家は『悲運の画家』と名乗っていたらしい。見た色はどこか冷たさを持った色で、それを描くから、寒色じみた色になってしまう。私生活でも何かと不運が続き、自分を絶望視していたという。
「こんな寒々しい作品ばかり集めてどうする気です」
「とりあえず夏の企画展に使おうかなと」
 熱々のカップルを冷ましてやろうと思ってな、とか未だ独身だが結婚願望のある館長が言わなかったことにほっとした。
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