お題:孤独な動揺 必須要素:バイブ 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:929字

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 午前二十七時、枕もとに置いたスマートフォンのバイブレーションが作動した。一度、二度。メールの場合は一度のはずだから、電話だろうか。二通メールが着信したのかもしれないけれど。
 むかし、ぼくたちの間で流行った遊びがあった。イエスなら一度、ノーなら二度、コールを鳴らす。たとえば、きょうの晩御飯はハンバーグにしようか、と問いかける。バイブレーションが二回。たとえば、今月はもう少しだけ課金をしてもいいだろうか、と問いかける。バイブレーションが一回。
 コールの回数は二回。
 もしこれが、むかし使っていた返事なら、答えはノーになる。
 午前二十七時。夜だ。ぼくは目を開けて、からだを起こす。部屋の電気をつけ、枕もとに置いた眼鏡をかけ、スマートフォンを手に取り、手帳型のカバーを開ける。
 不在着信が残っていた。
 どきりと、しんぞうが動く音が、聞こえた。ぼくは動揺している。深夜の事実は孤独のかたまりだ。そのくせ、スマートフォンなんかで世界と繋がっているものだから、こんなに簡単に動揺してしまう。誰かに落ち着けよと言って欲しいところだけれど、あいにくぼくの部屋にはぼくしかいない。
 コールの回数は二回だった。
 相手は番号しかでていない。
 登録をしていない相手だからではない、登録をしなくても覚えているから。電話がかかってくるたびに、あの名前が画面に表示されてしまったら、ぼくのしんぞうは持たないだろう。動揺で。
 どうしよう。
 どうするべきだろうか。
 スマートフォンに繋いでいた充電コードを抜き、考える。どうするべきか。
 このままここにいてもいいだろうか、この孤独な部屋に。もしこの不在着信の意味するところがイエス、ノーの回答であるなら、このままではいられない。はやめにどこかに移動しておくべきだろう。ぼくが三時間ほど前に送った、怒った? というメッセージの回答が先程の不在着信だったとするなら。彼女の怒りにぼくはいままで、三度ほど殺されたことがある。四度目はごめんだ。そろそろこぼれてしまった脳みそが足りなくなってきたのだから、できれば死にたくない。もしくは脳みそを買い足したい。脳みそがたりないから、彼女を怒らせてしまうのだろうか? 悪循環だ。
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