お題:運命の門 制限時間:1時間 読者:35 人 文字数:866字

住人 ※未完
窓は開けていないのに、鉄製の風鈴が鳴る。エアコンの風を受けたせいだと気づくのには、それほど時間はかからなかった。目を向けた先には、埃でまだらに汚れたカーテンとヘタクソなイラストのように青一色の空がある。じりじりと暑い、アスファルトの夏。蝉がもう死に絶えた時期なのかわからないのは、よく見ないからで、それはもう害とか子細な部分まで見れるようになってしまった目のせいで、耳がその声にすっかり慣れてしまうくらい生きていたせいだった。
 「もう選挙の時ぐらいしか入れへんもんな」
 「そうやね」
 友人の言葉に、相槌を打つ。このところ、お互い懐古する時間が多くなった。今回の議題は、小学校の話。教室の話。先生の話。
 信じられないような時間が過ぎたように思っている。けど、つまらない見地だとしても、実際人生の何割もないような経過でしかない。悲しいまま過ぎたわけでもなしに、あえて顧みて己を慰める必要もないのだが、愛おしい時間だったなと思って話を続けた。
 校門が二つあった、という話。『正門』と『北門』とに分かれていて、私は北門から登下校をしていた。視野の狭いあの頃の自分からすれば、正門側の生徒たちというのは違う世界の住人というくらいに離れた存在だった。
 「俺が登校してたのはたぶん正門やな」
 「じゃああれやな、『闇の住人』」
 「闇って。まあどっちかって言ったら、確実にこっちが闇やな」
 私が小学校へ通っていた時、北門側は新興の住宅街が広がり始めていった頃で、逆に正門側は古くからある団地や長屋から通う児童が多かった。はっきりとそう分かれているわけではないのだが、私だけでなく、ほかの子たちにも少なからずそういう認識があったと思う。
 
 ~~~~~エピソードが浮かばないぞ~~~~~

 土埃の舞う夏。どれほど幼くても、ああ、もうこの連中と相容れることはもうないのだろうなという思いがあった。いや、本当にあったのかもしれないし、よくなった目と頭が勝手に形にしたのかもしれないけど。

(プロットとしてどこかで使います。多分。)
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